ニューノーマルの魚ニーズを捉える!「イオンスタイル川口」鮮魚売場の3つの機能とは

宮川耕平(日本食糧新聞社)
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店舗経由の鮮魚宅配

 福島鮮魚便おさかなセットは、導入店のネットスーパーで注文を受け付けます。税込3240円と5400円の2タイプを用意、月曜〆の注文が次の土曜日に宅配される仕組みです。鮮魚の箱詰めは店舗で行い、チルド便で配送されます。

 これは20年8月に始まった「鮮魚ボックス」の取り組みを福島鮮魚便にも応用したもので、産地と店舗をつなぐ物流網がネットスーパーを介して自宅まで延長されたかたちです。同様の方法で、ネットスーパー専用の鮮魚商品のバリエーションが広がっています。

 6月下旬には、関東エリア73店を対象に神奈川のブランド鮮魚「松輪の釣り金目鯛」をネットスーパー専用品として発売しました。神奈川で水揚げされる金目鯛の2割だけという高級魚で、水揚げ直後に産地で切り身・刺身用に加工したものをチルド管理で、やはり店舗までの物流網を活用して運び、ネットスーパーを介して自宅に届けます。税込5378円となかなかの価格ですが、注文の翌週金・土曜日に配達する受注生産なので、ロスは発生しません。店頭で扱うよりもネット向きかもしれません。

 高付加価値の鮮魚商品を産地から店舗へと効率的な物流システムでつなぎ、そこからネットスーパーでラストマイルを埋めるという仕組みは、リアル店舗があればこそ可能です。こうした商品開発が産地直送とはまた異なる、ネットスーパーならではの魅力を作り出すように思います。

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