安いだけじゃない! 進化する「スーパーセンタートライアル」の総菜

2021/11/04 05:55
    雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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    トライアルカンパニー(福岡県)が展開する「トライアル」といえば、ディスカウント型のスーパーセンターをまずは思い浮かべるだろう。小売業界に身を置く人なら、AIをはじめとするデジタル技術・データ活用の先進企業というイメージも強いかもしれない。一方で、同社の商品が「価格の安さ」以外でクローズアップされる機会は意外にも少ない。しかし昨今、トライアルの店頭に並ぶ商品は大きく進化しており、とくに総菜商品のクオリティ向上は目を見張るものがある。最新店舗の売場から、総菜の進化の最前線をレポートする。

    取材の本題ではないのに、思わず立ち止まってしまった総菜売場

     福岡県宮若市に10月28日に新規開業した「スーパーセンタートライアル宮田店」。トライアルが昨今出店を進める「スマートストア」の最新店舗だ。商品をお客自らがスキャンしながら決済できるほか、クーポン・商品情報も映し出されるモニターが搭載された「スマートカート」、初導入となるAIカメラとセンサーで欠品を監視・管理できる「AI冷蔵ショーケース」などが報道陣にお披露目された。

     それらはそれらで非常に興味深いニュースだったのだが、ほかの業界誌記者と思わず顔を見合わせたのが、同店の総菜売場だ。そこに並ぶのは、店内調理の出来立て総菜の数々。見た目の完成度も高く、午前中の取材ということもあり食欲を強く刺激されてしまった。

     筆者の主観にはなるが、トライアルの総菜といえば「安くて量はガッツリ」と、価格とボリュームの”コスパ”のよさが先行するイメージだった。しかしそれは固定観念であることを思い知らされた。

    焼き立てのピザとボリュームたっぷりのサンドイッチ!

     実際に売場に並んでいた商品を一部紹介しよう。

    トライアル宮田店
    店内で焼き上げたピザはすべて税込500円

     まず目に入ったのは、店内で焼き上げたピザだ。1ホール500円(以下すべて税込価格)とお手頃で、「たっぷりコーンピザ」「ウインナーポテトピザ」「照り焼きチキンピザ」など子供が喜びそうなメニューを中心に揃えている。

    トライアル宮田店
    サンドイッチはボリュームたっぷりの玉子サンドとチキンサンドを目玉商品として提案

     サンドイッチコーナーでは、「たっぷり玉子サンド」と「チキンカツサンド」の存在感が大きい。いずれも具材がたっぷりと入っていながら、199円と破格。玉子サンドは情報番組の試食ランキングで2位となったようで、POPでも紹介されていた。

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    記事執筆者

    雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

    上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2016年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)。

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