生鮮強化で“大化け”したトライアルカンパニーが日本の小売を席巻するワケ

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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トライアル大

これまでのイメージを一変させる売場の光景

 売場のトップの青果は彩り豊かな旬の野菜と果物が整然と、かつ量感をもたせて陳列されており、さながら有力SMのモデル店舗のような風景。その奥の精肉、鮮魚の鮮度も高く、ブランド肉や近海魚が豊富に並んでいる。総菜は、おにぎり、弁当、揚げ物、インストアベーカリーの焼き立てパンやピザなど、いずれも品揃え豊富で出来栄えもよい──。

 食品スーパー(SM)の繁盛店のような活気あるこの光景が、トライアルのスーパーセンター(SuC)の店舗で見られるようになっている……と言えば、驚く人もいるのではないだろうか。

 トライアルといえば、圧倒的な安さと、SuCならではの一般食品や酒類、日用雑貨から家電まで揃う非食品の品揃えの豊富さにスポットが当たることが、今までは多かった。加えて昨今はAI活用をはじめとするデジタル領域の取り組みから「IT小売」としてのイメージも強いだろう。

 その半面、生鮮食品や総菜の商品力にフォーカスが当てられることは少なかった。「価格は安いが鮮度や品揃えには課題が多い」という印象を持つ業界関係者も少なくないのではないか。しかし、そうした固定観念を大きく覆すような店舗が徐々に増えているのである。

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