実は究極のSPA?製造機能取り込み進化する、ロピアの商品開発戦略とは

鈴木 國朗(アイダスグループ)
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競争のPB戦略1280

地盤とする関東を飛び出し、関西、中部、九州、東北にも次々と出店し、商勢圏を拡大し続けるロピア(神奈川県/髙木勇輔代表)。2024年2月には親会社であるOICグループ(同)が、イトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)の北海道や東北、信越地方の撤退店舗を承継することでも注目を集めた。そんなロピアの強さを支えているのが、他店にないユニークな商品を次々と生み出す「商品力」だ。

ユニークな商品でも“ハズレ”が少ない理由

 ロピアの強みは、商品開発と価格戦略、売場づくり、プロモーションが連動した圧倒的な「スピード感」にあると私は考えている。日常的に使われるカテゴリーで独自性の高いオリジナル商品を開発し、これをマグネット商品として売場で徹底的に売り込むという「単品量販」を志向した戦略が柱になっている。

 ただ、オリジナル商品と言っても、顧客を引き付けるような魅力がなければ、マグネット商品にはなり得ない。ロピアは顧客の潜在ニーズを的確にとらえ、既存品にない機能や価値を付加した“新奇”なオリジナル商品を開発し、付加価値や量目に対する値ごろ感をきちんと訴求している。このような「強い単品」は、売場のどこに陳列されていても勝負できる。

ロピア自社製薫煙ベーコン
精肉売場で販売する「ロピア自社製」の名を冠したオリジナル加工肉は、ロピアの看板商品とも言える存在だ。写真は「ロピア自社製薫煙ベーコン」(100g138円、写真の商品は330g455円)

 ロピアのオリジナル商品にみられる共通のコンセプトは「日常の食生活」だ。消費者の需要が最も大きい「日常性」を軸としているため、ユニークな商品や遊び心のある商品もみられるが、あまり“ハズレ”がない。このように、他チェーンとは明らかに異なる独自性の高い商品力こそ、東西に長く伸びる商勢圏でロピアがくまなく支持を集めている大きな要因と言える。

製造機能を拡充「究極のSPA」を志向

 では、なぜロピアは独自性の高い商品を次々と生み出せるのだろうか。その背景には、比類なき独自性を発揮しやすい仕組みがある。

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