外販事業も拡大!自社工場を強みとするクイーンズ伊勢丹のSPA型商品開発戦略とは

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競争のPB戦略1280

百貨店最大手の三越伊勢丹ホールディングス(東京都/細谷敏幸社長CEO:以下、三越伊勢丹HD)のグループ会社で、「クイーンズ伊勢丹」の屋号で首都圏に食品スーパー(SM)19店舗を展開するエムアイフードスタイル(東京都/雨宮隆一社長)。同社では、自社工場を保有する強みを生かし、製造小売(SPA)型の商品開発で「おいしさ」「安全・安心」「高品質」を切り口としたプライベートブランド(PB)商品を拡大中だ。その商品力が評価され、足元では自社PBを同業他社や異業種に卸売する、「外販」の取り組みでも成果がみられている。
※本文中の価格はすべて本体価格

売上高構成比約20%! 約600SKUをラインアップ

 ファンドが保有していた株式を買い戻すかたちで、2022年4月より三越伊勢丹HDの完全子会社となり、新たなスタートを切ったエムアイフードスタイル。「高品質スーパーマーケット」を標榜する同社では、百貨店品質を追求した商品・サービスを強みとする。

 そんな同社が力を入れるのが、主力のオリジナルブランドである「ISETAN MITSUKOSHI THE FOOD」(以下、THE FOOD)」による差別化だ。エムアイフードスタイルではかつて、「クイーンズ伊勢丹オリジナル」のブランドでもPB商品を展開していたが、より強い商品ブランドを再構築するべく、ここ数年はTHE FOODへの集約をすすめているという。

中本光昭氏
エムアイフードスタイル商品統括本部 商品戦略室 室長の中本光昭氏

 THE FOODがコンセプトに掲げるのは「お客さまの日々の『食』と本気で向き合い、食への好奇心にお応えするブランド」。高品質SMであるクイーンズ伊勢丹に来店する、感度の高いお客に向け、上質な商品を提供することを基本方針としている。エムアイフードスタイル商品統括本部商品戦略室で室長を務める中本光昭氏は、THE FOODの政策について「市場動向、また競合企業の品揃えにアンテナを張って最新のトレンドや情報を把握し、当社ならではの商品を開発している」と説明する。

 THE FOODの取り扱いカテゴリーは、「レトルト食品」「缶詰」「冷凍食品」「菓子」「日配品」が中心で、水産部門の粕漬魚など生鮮PBの扱いも一部ある。総 SKU数は約600。売上高構成比は

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記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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