付加価値訴求を強化!売上1兆円突破の巨大PBトップバリュの戦略とは

Pocket

競争のPB戦略1280

イオン(千葉県/吉田昭夫社長)グループのプライベートブランド(PB)「トップバリュ」に強い追い風が吹いている。巨大流通グループとしてのスケールメリットなどを生かし、消費者の生活防衛意識の高まりに応えてきたトップバリュ。2023年3月のリブランディング以降は、低価格路線は維持しつつも、これまで市場になかった付加価値型商品を投入し、さらなる支持拡大につなげようとしている。
※本文中の価格はすべて本体価格

新体制のもとリブランディングを実施

 2024年にPB第1号の発売開始から50周年を迎えるトップバリュ。24年2月期通期のPB売上高は初の1兆円に到達する見通しで、25年2月期も対前期比10%増の1兆1000億円と大幅伸長を見込む。

トップバリュの商品
消費者の生活防衛意識の高まりに応え、好調を続けるトップバリュ。24年2月期通期のPB売上高は 1兆円の到達する見通し

 巨大流通グループのPBとあってアイテム数は膨大だ。24年3月時点のアイテム数は、時期によって変動する生鮮を除いた食品とH&BC(ヘルス&ビューティーケア)で約5000。衣料と住居余暇を含めると数万にのぼる。後述するリブランディング以降は、単品ではなくシリーズでの商品開発を推進しているため、アイテム数は増加傾向にあるという。

森真紀氏
イオントップバリュ取締役ブランド&コミュニケーション本部長の森真紀氏

 トップバリュの企画・開発を手がけるイオントップバリュ(千葉県/土谷美津子社長)の取締役ブランド&コミュニケーション本部長の森真紀氏は、足元の状況について「(値上げラッシュのあった)直近約1年間で商品を手に取ってもらう機会が増え、価格に対して安心感を持っていただいている。『試しに買ってみたら、想像していたよりもおいしかった』という声を多くのお客さまから寄せられている」と話す。

 トップバリュの開発体制はここ数年で大きく変化している。22年3月1日に、

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態