牛乳・乳飲料市場、機能を強化した乳飲料が好調、外出自粛生活で健康意識がアップ!

山田陽美(ライター)
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牛乳市場は少子化の影響を受けて縮小傾向にあったが、2020年は内食化の進行により好調に推移した。そのまま飲むだけでなく、料理などへの活用も目立った。また、健康意識の高まりにより、カルシウムやたんぱく質を強化した機能性乳飲料も好調で、市場を底上げした。

牛乳イメージ
carlosgaw/i-stock

緊急事態宣言期間を中心に牛乳の需要は拡大

 KSP-POSの牛乳の期間通算(2020年3月~21年2月)の金額PIは、2万4217円で対前年同期比7.4%増。月別金額PIではすべての月で前年を上回り、とくに新型コロナウイルス感染拡大の抑止のために緊急事態宣言が発出された4月、5月は2ケタ増となった。休校になったことで、子供が家庭で牛乳を飲む機会が増えたことに加え、料理での活用が増えたようだ。また、緊急事態宣言で、学校給食や外食産業への牛乳の出荷が落ち込み、生乳が大量に余ることが懸念され、その対策の一環として農林水産省が、牛乳やヨーグルトを普段より1本多く消費することを促す「プラスワンプロジェクト」を開始したことで需要が高まったことが予想される。

 牛乳は少子化の影響で緩やかに需要は減少しているため、メーカー各社では使用シーンの拡大を図るべく、料理での活用を提案している。明治では、人気漫才コンビの和牛を起用した「時短すぎる牛乳レシピ」を動画で公開するなど、牛乳を使ったレシピを配信している。

 また、カネカでは「パンと牛乳」の組み合わせを意識した「パン好きの牛乳」を投入。北海道産生乳と新技術を使い、パンのおいしさを引き立てる生乳本来のコクに後味すっきりの商品の投入で、牛乳から離れていた20~40代女性を取り込むことに成功している。

 また、健康意識の高まりを背景に、牛乳でカルシウムやたんぱく質などの栄養素を摂取する人が増え、なかでもたんぱく質の摂取意向は年々上昇している。こうした背景を受け、森永乳業では日常生活のなかでたんぱく質を手軽に摂取できる「森永おいしい高たんぱく脂肪0」を提案。コップ1杯(200ml)当たりで10gのたんぱく質が摂取できる。アスリートだけでなく、すべての人にとって必要なたんぱく質。今後も需要が増えそうだ。

機能性乳飲料に中高年層から支持

 その他乳飲料の期間通算の金額PIは、2966円で対前年同期比7.9%増。牛乳同様に4月、5月は2ケタ増、6月以降も堅調で、11月と1月、2月は2ケタ増となっている。

牛乳とその他乳飲料の金額PIおよび金額PI対前年推移

 白物乳飲料は、カルシウムや鉄、葉酸、たんぱく質などを強化した機能性の乳飲料が中心で、健康のために牛乳を飲む人から支持されている。外出自粛生活により、運動不足や体重増加などの理由から健康に気づかう人が増え、機能性乳飲料は好調だ。森永乳業では、たんぱく質を強化した「PREMiL BLUE」に加え、BMIが高めの人の体脂肪を減らす「PREMiL Red」をラインアップした。また、森永製菓とコラボレーションした「inPROTEIN」を4月から新発売。容器やプロテイン配合量が異なる4つの商品をラインアップし、さまざまなシーンでの飲用を訴求していく。中高年層は栄養を摂取するために牛乳類を飲用しているため、今後も拡大が期待できそうだ。

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