新・北海道現象の深層⑭コロナ禍で過去最高益達成!流通を川上からコントロールする北海道のチェーンストアの強さ

2020/08/07 05:55
浜中淳(北海道新聞)

北海道現象から20年。経済疲弊の地で、いまなお革新的なチェーンストアがどんどん生まれ、成長を続けています。その理由を追うとともに、新たな北海道発の流通の旗手たちに迫る連載、題して「新・北海道現象の深層」。第14回は、流通を川上からコントロールする、北海道のチェーンストアの強さに迫ります。

シジシージャパンとの関係が深い三菱食品は、道内CGCグループのリーダー、アークスのメーン卸の座を占めてきた。一方、イオンと三菱商事が昨年、長年の提携を解消したことで、イオン北海道の帳合の行方が注目されている(写真は札幌市白石区の三菱食品北海道支社)
シジシージャパンとの関係が深い三菱食品は、道内CGCグループのリーダー、アークスのメーン卸の座を占めてきた。一方、イオンと三菱商事が昨年、長年の提携を解消したことで、イオン北海道の帳合の行方が注目されている(写真は札幌市白石区の三菱食品北海道支社)

目を見張る、アークス、DCM、ニトリ3社の業績の伸長ぶり

 2月を決算期末とする上場小売企業の2021年第1四半期(3~5月期)決算が出そろいました。新型コロナウイルスの感染拡大が直撃した時期と重なり、例年にも増して注目を集める決算となりました。

 1997年の北海道拓殖銀行破綻後の不況下で急成長を遂げた北海道現象の5社の中では、5月決算のツルハホールディングス(以下、ホールディングス=HD)を除いた4社がこれに当たります。

 北海道では、鈴木直道知事が2月末に独自の緊急事態宣言を出し、全国に先駆けて外出自粛が本格化しました。4月に入ると、政府が法令に基づく緊急事態宣言を全都道府県対象に発出、5月25日の解除まで続きました。それだけに3~5月期の業績は、各社のコロナ禍への耐性を測る指標となったわけですが、結果は<表>の通りです。

 イオン北海道は今年3月にマックスバリュ北海道と合併したため、見かけの売上高は大きく伸びましたが、主力のショッピングモールが長期休業を強いられた影響を受けて大幅減益を余儀なくされました。

 目を見張るのが、残る3社の業績の伸長ぶりです。本連載の12、13回目でも言及したように、生活必需品を扱うスーパーやホームセンターは、「ステイホーム」による巣ごもり需要が追い風になりました。家庭用品の品ぞろえが豊富なニトリHDも収納ボックスや生活家電がよく売れたほか、テレワークの拡大によって机や椅子の新規需要を取り込んだようです。

 ただ、ここで注目したいのは、売上高よりも利益の大幅の伸びです。アークス、DCMHD、ニトリホールディングスの3社とも、3~5月期としては過去最高益となりました。厳しい経営環境下での北海道発のチェーンストアの強さを象徴する数字です。

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