SIP ストア1 号店の売場づくりとねらいを徹底解説!5300SKUで生鮮フルライン導入

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)は2月29日、千葉県松戸市に新コンセプト店舗「SIPストア」の1号店となる、「セブン-イレブン松戸常盤平駅前店」(以下、常盤平駅前店)を開業した。セブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長:以下、セブン-イレブン)とイトーヨーカ堂(同/山本哲也社長)をはじめ、セブン&アイグループの強みを結集。既存のコンビニエンスストア(CVS)の概念を打ち破り、グループ全体のシナジー創出を図るチャレンジングな店舗だ。

セブン- イレブン 松戸常盤平駅前店

セブン- イレブン 松戸常盤平駅前店

〒270-2261 千葉県松戸市常盤平1-20-1
電話:047-385-5728
新京成電鉄新京成線「常盤平」駅から徒歩1分

売場面積は1.8倍 生鮮、冷食を拡充

永松文彦社長
永松文彦社長
「時代が大きく変化するなかで商圏ニーズも大きく変化している。近くであらゆる消費財の購入ができるような店を構築していきたい」

 「今後の少子高齢化、共働きの増加へ対応するべく、今までの“業態論”に縛られず、お客さまの身近で生活必需品をお買い上げいただけるような新しいフォーマットを確立していきたい」。

 昨年3月初旬、セブン&アイが開いた中期経営計画(21~25年)の上方修正とグループ戦略転換に関する記者会見の場で、同社の井阪社長はこう力説し、新コンセプト店舗「SIPストア」の開発を明らかにした。

 「SIP」とは、セブン-イレブン(S)・イトーヨーカ堂(I)・パートナーシップ(P)の頭文字をとったもの。既存のセブン-イレブンのフォーマットに、イトーヨーカ堂がこれまで培ってきた知見やノウハウを付加し、売場面積を拡大して生鮮食品や日配、冷凍食品といったカテゴリーを拡充。よりワンストップ性を高めたフォーマットを新たに開発することで、狭小商圏における競争力をさらに高めるというのが、SIPストア開発のねらいだ。

 その会見から約1年が経った今年2月29日、千葉県松戸市にSIPストア第1号店となる常盤平駅前店がついに開業した。新京成電鉄新京成線「常盤平」駅からすぐの場所にあった直営店を増床するかたちで、SIPストアとしてリニューアルした。

 売場面積はセブン-イレブンの標準サイズの約1.8倍にあたる88坪。取り扱い商品数は約5300SKUで、セブン-イレブンの既存アイテム(約3300SKU)に、約2000SKUをSIPストアのMDとして新たに投入している。

 特筆すべきポイントはやはり、イトーヨーカ堂の商流や製造インフラを活用した生鮮、日配、冷凍食品の拡充だ。さらにイトーヨーカ堂以外のグループ会社からも商品の供給を受けており、まさにグループの総力を結集した売場づくりが試みられている。

精肉と鮮魚はPeace Deliから供給

 まずは生鮮売場から見ていこう。

 とくに注目したいのは

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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2016年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)。

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