SIP ストア徹底解剖!利用者視点で感じる「戸惑い」の正体とは
セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長)が2月29日、千葉県松戸市内に開業した新コンセプト店舗「SIPストア」の1号店である「セブン-イレブン松戸常盤平駅前店」(以下、常盤平駅前店)。屋号や外観こそ「セブン-イレブン」だが、セブン&アイグループの新たなシナジー創出を図るべく開発された戦略的店舗である。売場づくりや商品政策(MD)を細かく調査し、SIPストアが持つ可能性と今後の課題について考察してみた。
※文中の価格は税抜
売場に入って感じた「戸惑い」の正体
SIPストアのコンセプトや開発背景については本誌をはじめ各メディアでも報じられているが、簡単に整理しておこう。
まず「SIP」とは、セブン-イレブン・ジャパン(東京都/永松文彦社長)と、イトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)が、両社のシナジー創出を図るべく22年に立ち上げた「SEJ・IY・パートナーシップ(SIP)」という枠組みを指す。そのもとでSIPストアの開発が検討され、約1年の準備期間を経て、既存の直営店を増床・リニューアルするかたちで常盤平駅前店を1号店として開業した。
売場では、「セブン-イレブン」のMDに「イトーヨーカドー」の生鮮をはじめとする食品MD、さらに「ロフト」や「赤ちゃん本舗」といったセブン&アイグループ各社の商品も投入。セブン-イレブンが掲げる「近くて便利」をさらに追求するというのが、SIPストアのめざす方向性だろう。
売場面積はセブン-イレブンの標準サイズのおよそ1.8倍となる約88坪で、取り扱い商品数は約5300SKU。うち約3300SKUはセブン-イレブンの既存店で販売している商品、残りの約2000SKUはSIPストアオリジナルのMDによる品揃えである。
売場を見ていくと、