ヤオコーにダイエー、主要スーパーマーケットの事例に学ぶ効果的なポイント販促策

エムズコミュニケイト代表:岡田祐子
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顧客との関係構築において今後さらに重要性が増すポイント販促。食品スーパー(SM)業界は先進的にポイントサービスが普及してきた業界ながら、現在の取り組み状況をみると課題も多いという。そこで今回はポイント販促の専門家に、関東エリアで店舗展開する主要チェーンの事例を挙げ、SMがポイント販促を行ううえでの要点を解説してもらった。

SMでポイント販促が普及した背景と課題

 SMは、ポイントサービスを先んじて導入してきた業界だ。会員証を発行し、商品購入時に提示するとポイントを付与する仕組みを原形とする。近年はこの仕組みをベースに、独自の電子マネーや自社クレジットカードを多くのSM企業が導入。また、政府によるキャッシュレス決済の推進に伴い、QRコード決済など、外部のキャッシュレス決済サービスにも対応するほか、キャッシュレス決済からポイントの蓄積・利用までさまざまな機能を集約した自社スマホアプリも開発されている。

 しかし、ポイントサービスが普及している一方で課題も生じている。時代の流れや同業他社の動きに追随して積み上げ式にシステム導入する企業が多かった背景から、ユーザーの視点でサービスが体系的に整理国内唯一のポイントサービス導入・運用支援の専門コンサルティング会社エムズコミュニケイト設立。大手企業のポイントサービスやCRM・顧客戦略に関するコンサル支援のほか、セミナーや講演、執筆活動を行う。著書『成功するポイントサービス』などされていないという点だ。会員証、クレジットカード、スマホアプリなど複数のポイント蓄積手段があり、ユーザーはどれを選択するべきかわかりづらい。企業側も、「顧客にどのようにサービスを打ち出すべきなのか」を戦略的に考え、きちんと展開できていない場合が多い。

 この要因には、SM業界はオーナー企業が多い点が挙げられる。オーナーのトップダウンの傾向が強く、現場で主体的に課題を整理しその解決につなげるようなボトムアップの動きが起こりづらいのだ。また、本部の限られた人員体制でポイント販促の企画・運営を担っているケースが多く、中長期的な視点で戦略を議論しながら組み立てていくことが難しい。

 まず、ポイント販促に取り組むうえで、その基本的な効果について押さえておきたい。まず、

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