コスモス薬品、ゲンキー、クスリのアオキ 日本全国で暴れ回るフード&ドラッグ3社の戦略と実力、影響を徹底解説!
PB開発と出店拡大進めるコスモスとゲンキー
さらに着目すべきは、単純に店数を増やしているだけではなく、フード&ドラッグ各社は次なる成長のための準備も水面下で進めているという事実である。
たとえばコスモス薬品は首都圏での出店を強化しており、東京都内にも昨年4月に店舗を開業している。都内の出店については当初、立地条件やマーケットの違いからか、それまで郊外で出店してきた食品強化型のフォーマットではなく、医薬品や化粧品、あるいは調剤に特化した店が中心であった。しかし、今年に入ってから東京都世田谷区と神奈川県川崎市で、食品強化型店舗の小型版ともいえるフォーマットで相次いで出店。100~150坪程度のコンパクトな売場で、食品と非食品をバランスよく展開する同フォーマットが、新たな都市型小型店のモデルとして確立されれば、都心部での出店にもはずみがつくだろう。それと同時に、プライベートブランド(PB)商品の開発も強化。低価格と粗利益の両方を追求できるPBの品揃えを拡充することで競争力のさらなる向上を図っている。
ゲンキーは、生鮮PCを活用した生鮮食品の拡充、海外メーカーや工場と連携したSPA(製造小売)によるPBの強化、そしてEDLP(エブリデー・ロープライス)の導入を同時並行で行う。SMを含む競合他社の追随を許さない“価格破壊型PB”や、圧倒的低価格と品質のよさを両立した生鮮食品の販売強化により、マーケットシェアのさらなる奪取をめざしている。出店面では来夏、滋賀県に進出することが決定。すでに10件程度の出店候補地を押さえており、関西圏におけるボーダレスな競争激化は必至の情勢だ。