低価格攻勢に苦しむスーパー必読!四国の雄・フジが実践する売上・粗利率改善させたドラッグストア対策!

中四国エリアで食品スーパー(SM)や総合スーパー(GMS)などを展開するフジ(愛媛県/山口普社長)。商勢圏で業態を超えた競争が激化するなか、EDLP(エブリデー・ロープライス)政策により集客力向上を図っている。同時に付加価値商品を訴求、利益確保にも努める。なかでもドラッグストア(DgS)に奪われている30~40代の支持を得ることが次代の成長を占うカギと位置づけ、取り組みを強化している。
DgSの台頭で厳しさ増す経営環境

フジは愛媛県をはじめとする四国4県、さらに広島県、山口県をあわせた中四国エリアで事業を展開する。これら商勢圏では競争が年々激化。SMのほか異業態の存在感も増している。自社を取り巻く環境について、常務取締役常務執行役員 商品事業本部長兼ノンストアリテイル事業部長の仙波保幸氏は次のように説明する。「当社の商勢圏のうち、とくに店数の多い四国は、かつては全国的にみても競争が比較的緩やかなエリアだった。だが7~8年前からコンビニエンスストアの出店が増加傾向にあるのに加え、5年ほど前からはDgSが台頭し、大きな脅威となっている」
これに加えて、人口減少も顕著であるのが中四国エリアの特徴だ。日本の人口が2000年初頭から減り始めたのに対し、たとえばフジの本拠・愛媛県の人口は、1985年の約153万人をピークとして年々、減少の一途をたどる。2020年の人口推計は132万人で、今のペースで減り続ければ、40年には現在の約23%減にあたる約101万人となる見込みだ。
こうした厳しい環境にあり、フジの食品小売事業は近年、苦戦を強いられている。既存店ベースの売上高は毎年、対前年度比1%減前後と微減で推移してきた。そこで同社では17年度から、カード会員の購買データを詳細に調べて不振の原因を探り、消費者の支持を得るための商品・価格政策を練り始めた。
購買データをもとに、フジの店舗を利用している層、また購買動向などをさまざまな視点から分析。その結果、60代および70代以上のシニア層は日常的に来店しているものの、30~40代の若年層、なかでも子供を持つファミリー層の利用が少ないことがわかった。「当社の店舗には、SMのほか『フジグラン』などのブランド名で展開するGMSもある。とくにGMSは、今日ご利用いただいているシニア層のお客さまが30~40代だった頃に求められた品揃え、売場づくりが原型となっており、これまで多くのお客さまにご利用いただいてきた」(仙波氏)
だが当然、現在の30~40代の女性は、昔に比べて生活スタイルが大きく変化しており、DgSで食品を購入する層も増えている。フジではこの状況を踏まえ、若い世代の獲得が、次代の成長のカギになると考え、重点テーマとして取り組んだ。
DgS対策でEDLPを導入冷凍食品が大きく伸長

17年度に計画を立案し、実際に売場へ反映させたのは翌年度のこと。18年5月、
爆速成長! フード& ドラッグ徹底分析!コスモス、ゲンキー、クスリのアオキ の新着記事
-
2020/12/15
レシートデータと消費者調査で分かった!コスモス、ゲンキー、クスリのアオキの ”意外”な利用実態! -
2020/12/15
低価格攻勢に苦しむスーパー必読!四国の雄・フジが実践する売上・粗利率改善させたドラッグストア対策! -
2020/12/14
首都圏を狙うコスモス薬品、成長のカギ「2つのシェア」拡大とは? -
2020/12/11
青果売上が最大50%増で食品比率62%!もはやドラッグストアを超えた?ゲンキーの売場づくり -
2020/12/11
PBビールは1缶わずか128円!圧倒的な低価格を実現するゲンキーのPB戦略と開発の秘密! -
2020/12/10
ヤオコー、イオン、ドラッグ4社の売場・価格を徹底分析!クスリのアオキは北関東で勝てるのか?
この特集の一覧はこちら [11記事]
フジの記事ランキング
- 2019-04-22イオンと資本業務提携したフジが トップバリュと距離を置く理由
- 2025-09-13中四国小売ランキング2025 リテールパートナーズ、ハローズが好調!
- 2020-09-15中四国9県各トップ5ランキング 経営統合でMV西日本急拡大!イズミ、フジも勢力伸ばす
- 2021-08-02フジ、鮮魚部門黒字化の立役者はプロセスセンター ガス置換に多様な機器駆使して生産性向上
- 2019-06-03フジ、加工食品・日用品200品目を値下げ、昨年以降合計で1200品目に
- 2024-02-02統合新会社フジの成長戦略は地域に根差したMDとフード&ドラッグ!その手法は
- 2024-11-27週刊スーパーマーケットニュース ヤオコー、「高年齢者活躍企業コンテスト」で特別賞を受賞!
- 2025-01-22新生フジの新モデル店!マックスバリュイオンタウン楽々園の売場づくりを解説
- 2025-04-09新生フジ誕生から1年 山口社長が語る統合の道筋とは
- 2025-04-21週刊スーパーマーケットニュース ベイシア、「楽天マート」でPB商品の展開を開始!
関連記事ランキング
- 2025-10-23ついに「オーケー VS ハローズ」が現実に! 【今週の大店立地法速報】
- 2025-10-24買上点数は果たしてKPIとなりうるのか? 既存店売上を構成する「部分」と「全体」
- 2025-10-23松戸市内3店舗目で一気にシェア奪取?「生鮮市場TOP松戸新田店」を解説
- 2025-10-29ロピア、ヤオコー、マミーマート……首都圏の新激戦地、千葉・松戸エリアを案内!
- 2025-10-29駅前再開発が熾烈な競争を誘発!? 埼玉・所沢エリアの視察ポイント
- 2025-10-31伊勢崎、高崎に一挙2店舗を出店! ロピア群馬1、2号店の売場を徹底解説
- 2025-10-27過熱する”越境出店”……今、東日本各エリアを徹底的に視察すべき理由
- 2025-10-21“南北いいとこどりMD”に挑戦!「ヤオコーまるひろ上尾SC」の売場を解説
- 2025-10-28東北随一の成長市場 宮城県名取・利府エリアの視察コースを案内!
- 2025-11-12ロピア進出機に阪神エリア随一の激戦地に 兵庫・尼崎エリア視察案内!
関連キーワードの記事を探す
知られざる四国の激戦地・愛媛県西条市 トライアル進出で環境急変か
イズミ、ハローズ、ダイレックス……中四国最大都市・広島市の視察の仕方
ロピア進出機に阪神エリア随一の激戦地に 兵庫・尼崎エリア視察案内!
バロー参戦で大混戦!大阪で視察必須の注目エリア「寝屋川・香里園」の歩き方
総合スーパー市場占有率2025 市場縮小のなか上位5社の寡占化続く
流通・小売市場占有率2025 全業態で市場規模拡大、上位集中加速!




前の記事