ウエルシアの「ウエル活」がブームを起こせた理由、ゲーム性とSNS活用、課題とは

エムズコミュニケイト代表:岡田祐子
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店舗間競争が激化し、来店客を獲得するための施策として重要性を増すポイント販促。そうしたなか近年でも大きなブームを巻き起こしたのが、ウエルシア薬局(東京都/田中純一社長)による、毎月20日に特定条件をクリアすると1.5倍分の買物ができる「ウエル活」だ。なぜ「ウエル活」はここまで支持されたのか。その要因とともに、小売企業がポイント販促を行ううえでの要所を解説する。

小売業界でもDgSでポイント販促が進む背景

 「ウエル活」について解説する前に、まずはドラッグストア(DgS)業界のポイント販促の現状を述べておきたい。DgSや食品スーパー(SM)などの生活必需品を扱う業態は、日常的に利用され、かつ高頻度での来店を促す必要があり、ポイント販促と相性がよいと言える。そのため他業界に先駆けてポイントサービスの導入が進んできた背景がある。

 とりわけDgSは近年、業界再編が進み、M&A(合併と買収)や業務提携のたびに企業間でポイントサービスについても統合・連携し、戦略が見直されてきたことから取り組みが進んでいる。また近年は、事業規模の拡大に伴って「楽天ポイント」や「dポイント」などの共通ポイント事業者との協業も活発になり、独自ポイントに加えて共通ポイントも付与する「マルチポイント」化も広がっており利用者を増やしている。

 具体的な販促施策についても、かつてはメーカーとのタイアップは、制度化粧品や医薬品など、高価格帯の商材に限定されていた。しかし近年は日用品にも取り組みが広がり、結果、DgSのポイントサービスを利用する客層も拡大している。

 とはいえ、多くのDgSのポイント販促は、特定の曜日などにポイント付与率を引き上げる「ポイント〇倍デー」に留まっている。賢い消費者は生活圏内で複数のDgSをうまく使い分け、いずれの店舗でも同じようなポイントサービスを受けている傾向にある。

 こうしたなか今回フォーカスを当てるウエルシア薬局はまず、ほかのDgSに比べてトータルでのポイント還元率が高い。ウエルシアグループの会員「ウエルシアメンバー」に登録すると、ウエルシア系列のDgSでの買物の際に、イオン(千葉県)グループの「WAON POINT(ワオンポイント)」と「Tポイント」がダブルで付与されるほか、毎週月曜日には通常の2倍のポイントを付与する「ポイント2倍デー」も実施している。

 また毎月20日は、「Tポイント」または「WAON POINT」を200ポイント以上利用すると1.5倍分の買物ができる「お客様感謝デー」だ。このお得なポイントサービスを活用した買物が「ウエル活」と呼ばれ、ブームのような様相を呈している。

ウエルシア薬局の「お客様感謝デー」
ウエルシア薬局「お客様感謝デー」は、「毎月20日はポイントを使って1.5倍分の買物ができる」と提示。顧客にとってお得感が非常にわかりやすい訴求方法と言える

 特定の日に社名や屋号、ブランドと関連づけたポイント販促を全社的に展開できている小売企業は、まだ少数にとどまっている。そんななかウエルシア薬局の「お客様感謝デー」は、顧客にわかりやすいポイント販促のブランディングに成功しており、またグループの店舗で一斉に取り組めている点で、同社の実行力もうかがえる。

ふだんからの買物を促す企画設計

 しかしながら、なぜウエルシア薬局は「ウエル活」と呼ばれるまでポイント販促の輪を広げることができたのか。

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