コロナ禍で絶好調の角上魚類、スーパーと一線を画す即食商品

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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ツマが見えないほど
ボリュームを出す

 刺身や寿司の提案に力を入れている。魚種のなかでも人気のマグロを積極的に寿司や刺身に商品化する。さまざまな品種のマグロが少しずつ味わえる盛り合わせ商品は、現場のアイデアから生まれたもので、とくに人気を得ている。

さまざまな品種のマグロが少しずつ味わえる盛り合わせ
さまざまな品種のマグロが少しずつ味わえる盛り合わせ

 刺身でも訴求するのはボリュームだ。来店客にお得感を感じてもらえるように、刺身のツマが隠れるくらい、刺身を盛るのが角上魚類流だ。

ボリュームを訴求する刺身が並ぶ

自分の好み、適量に
合った商品が買える

 もう1つ特徴的なのが、さまざまな量、組み合わせの盛り合わせ商品を用意している点だ。「お客さまに、ご自身の好みや都合に合った商品を選んでいただけるように意識している」(内村店長)という。たとえば流山店では、貝の盛り合わせだけで大・中・小サイズを揃えてきた。

貝の刺身だけでも大・中・小サイズを揃える

 近年、食品スーパーの鮮魚売場では冷凍商品の売場が広がっている。そうしたなかで、鮮魚や刺身の提案は手薄になりがちで、これを受けて角上魚類にそれら商品がいっそう求められるようになっているという。
 
 魚総菜や刺身といった即食商品は、忙しい現代人の需要に即しており、工夫次第で来店動機を創出できる。角上魚類からは、そんな商品を開発するヒントが得られるはずだ。

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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