経済疲弊の地・北海道で、なぜチェーンストアだけが成長し続けるのか

2019/04/15 05:00
浜中淳(北海道新聞)

新ステージに入った北海道現象

DCMホールディングスのDCMホーマック旭ヶ丘店(札幌市内)
DCMホールディングスのDCMホーマック旭ヶ丘店(札幌市内)

 「北海道現象」は一過性のものではなく、20年以上たった現在も続いています。それは、<上表>を見ていただければ明白でしょう。5社は同業者との再編などを経て、いずれも当時とは社名は変わりましたが、優れた業績を残し続けています。イオングループの地域法人であるイオン北海道以外の4社は、全国展開に踏み出しており、売上規模だけでなく、営業エリアや知名度の点でも「北海道のトップ企業」から「日本のトップ級企業」になったと言えるでしょう。高校野球では、甲子園の全国大会よりも、大阪府の地方予選を勝ち抜く方が大変だという人がいます。流通業界も、過酷な北海道予選の決勝戦を突破した企業にとって、恵まれた本州市場を制覇する方がたやすいと言えるのかもしれません。

 注目したいのはこの20年余りの間に成長を遂げた北海道企業はこの5社だけでなく、コープさっぽろ(生協)やアインホールディングス(調剤薬局)、セコマ(コンビニエンスストア)、サツドラ(ドラッグストア)など枚挙にいとまがないことです。「北海道現象」は完全に新しい段階に入ったと言えるでしょう。

 この連載では、北海道流通のユニークさについて新しい動きを取り込みながら、思うままに執筆していきたいと思います。

 ところで、「不況下に成長企業が出現する」のが「北海道現象」だとするなら、なぜ小売業界だけに出現し、他の業界に同じ現象が起きないのでしょうか? より厳密に言えば、「北海道現象」を起こしたのは小売業というよりもチェーンストアです。そこで次回は、北海道に優れたチェーンストアが根付いた背景を探ります。

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