異変!上場小売業決算まとめ 営業収益ランキングトップ10
コロナ禍直撃で業態間格差が鮮明に
ランキング上位企業の動向を見ていくと、首位のイオンの21年2月期業績は、営業収益が前期からほぼ横ばいの8兆6039億円、営業利益は同30.1%増の1505億円だった。
図表●上場小売業営業収益ランキングトップ100
社名 | 営業収益 | 増減 | 営業利益 | 増減 | 決算期 | ROA | 業態 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
イオン | 8,603,910 | 0.0 | 150,586 | ▲ 30.1 | 21/2 | 1.2 | ー |
セブン&アイ・HD | 5,766,718 | ▲ 13.2 | 366,329 | ▲ 13.7 | 21/2 | 5.5 | ー |
ファミリーマート | 2,764,356 | ▲ 6.8 | 43,230 | ▲ 21.5 | 21/2 | ▲ 0.5 | CVS |
ローソン | 2,349,704 | ▲ 6.3 | 40,876 | ▲ 35.1 | 21/2 | 2.8 | CVS |
ファーストリテイリング | 2,008,846 | ▲ 12.3 | 149,347 | ▲ 42.0 | 21/8 | 6.9 | AP |
ヤマダHD | 1,752,506 | 8.7 | 92,078 | 140.2 | 21/3 | 8.2 | CE |
PPIH | 1,681,947 | 26.6 | 75,997 | 20.4 | 20/6 | 5.8 | SP |
ビックカメラ | 847,905 | ▲ 5.2 | 12,066 | ▲ 47.4 | 20/8 | 3.4 | CE |
ツルハHD | 841,036 | 7.5 | 45,013 | 7.6 | 20/5 | 11.8 | DgS |
三越伊勢丹HD | 816,009 | ▲ 27.1 | ▲ 20,976 | ー | 21/3 | ▲ 1.4 | DP |
単位:百万円、%
※連結対象子会社は親会社の下に順位をカウントせずに掲載
※CVSの営業収益はチェーン全店売上高を使用
※ファミリーマート、ファーストリテイリングはIFRS
※時価総額は2021年6月4日株価終値から算出
GMSを中核に、SM、DgS、CVS、HC、各種専門店と多数の業態を展開するイオン。グループの主要上場小売11社の業績を見ると、図表の業態別業績と同様に、業態によって大きく明暗が分かれていることがわかる。
好調だったのは、SMとDgSだ。首都圏におけるSM事業の中核をなすユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都:以下、U.S.M.H)の21年2月期業績は、営業収益が同6.1%増の7338億円、営業利益は前期から約2.1倍の191億円だった。巣ごもり需要の恩恵を受けて業績が大きく伸長した格好だ。
SM事業会社も増収・営業増益を達成。DgSのウエルシアホールディングス(東京都)、HCのサンデー(青森県)も、営業収益・営業利益ともに前期実績を大きく上回った。
一方で、中核企業のイオンリテール(千葉県)の営業収益は、同10.3 %減の1兆9672億円で、218億円の営業赤字を計上。CVSのミニストップ(千葉県)、カジュアル衣料のコックス(東京都)、靴専門店のジーフット(東京都)も減収・営業赤字となっており、業態間格差が鮮明となっている。
2位のセブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)の21年2月期業績は、営業収益が同13.2%減の5兆7667億円、営業利益が同13.7%減の3663億円の減収・営業減益だった。
祖業のGMS、イトーヨーカ堂(東京都)は減収・営業増益と営業利益は前期を上回ったものの、売上規模を考慮すると前期に続いて低水準のままだ。百貨店のそごう・西武(東京都)は、減収・営業赤字となっている。