#17 目指すは業界統一? 八ヶ岳連峰経営でついに関東進出を果たしたアークス・横山社長

北海道新聞:浜中 淳
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成功の第1の理由は“地域密着”の重視

 八ヶ岳連峰経営が成功してきたのはなぜか。理由は二つあります。第1に食品ス-パー業態の特殊性です。南北に細長く伸びる日本列島は、地域ごとに食文化が細かく分かれ、それぞれの地場産品へのニーズが高く、味の好みも微妙に異なります。非食分野の量販店のように本部(東京)の政策通りに全国の店舗が一斉に動く「中央集権型オペレーション」はなじみにくいのです。

 アークスのライバルで、道内の地域生協を統合した経験を持つコープさっぽろの大見英明理事長はこう言います。「経営統合でバイイングパワーが増すことには落とし穴がある。商品の統一を進めすぎて地場商品の取り扱いが極端に少なくなったり、地域ごとに嗜好が微妙に異なる加工食品の味を、量産効果を出そうとして共通化したりすると、たとえ価格が下がっても固定客が離れていってしまう」

アークスの売上高推移

 そもそも中央集権と地域密着は相反する概念で、そのバランスの取り方は難しい。ダイエー出身で、カスミ社長やユナイテッドSMHD会長などを歴任した小浜裕正氏が、こんな経験を語ってくれたことがありました。「私がダイエーで札幌に勤務していた1980年代、全国一斉の年末特売で下駄を売らなければならなくなった。店の外はもう根雪ですよ。中央集権的な販売政策の弊害の一例でしょう」

 ダイエーは各地の食品スーパーとの競争で苦戦を強いられていた98年、7地域別の社内カンパニーを置き、仕入れに地域色を反映させようと試みました。しかし、00年に地域カンパニー数を7から4に削減、01年になると地域カンパニー自体が廃止され、十分機能しないまま役割を終えました。「カンパニー」と言っても名前だけで、本社の商品政策から完全に独立していたわけではなく、どっちつかずになってしまったようです。

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