やっぱりスゴイ!新店・所沢有楽町店で垣間見たヤオコーの最新総菜戦略

2020/06/21 07:05
    雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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     このほか、売場中央部の冷ケースで大きくフェースを取ってアピールしていたのがヤオコーオリジナルの「スイートポテトと食べる 冷し焼いも」(298円)。その独特なネーミングのとおり、「焼き芋」の上に甘さ控えめの「スイートポテト」を乗せた2層仕立ての焼き芋スイーツとなっている。冷やし焼き芋そのものは一般的になりつつあるが、そこにスイートポテトを加えることで新感覚の商品をつくり上げた。

    ヤオコー総菜
    売場で大々的にアピールしていた「スイートポテトと食べる 冷し焼いも」

    「新しい生活様式」で変わる消費者ニーズを取り込むために

     こうしてあらためてヤオコーの総菜売場をじっくり見てみると、①お客のニーズに合わせた量目の展開(小容量サイズの充実)、②ユニークかつクオリティの高いメニューの提供(飲食店や専門店に比肩するレベルの追求)、③手に取りやすい価格設定(弁当含め多くの商品が500円以下)といったことが徹底されていることがわかる。

     いわゆる「新しい生活様式」が浸透していく中で、家でこだわりの素材を使って料理したり、飲食店のテイクアウトや全国の銘店からの”お取り寄せ”などを利用したりして「内食」のクオリティを追求する消費者は増えていく可能性が高い。そのなかでスーパーの総菜は、ただ「時短」「即食」をアピールして漫然と商品を売場に並べているだけでは、顧客からの支持を集めることは難しくなっていくだろう。”総菜革新”に向けて早めに手を打つなら、今改めてヤオコーの総菜開発力の高さに注目すべきかもしれない。

     

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    記事執筆者

    雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

    上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2016年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)。

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