ヤオコー、サミット、バローHD 主要SM 2023年3月期決算と今期の戦略とは

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)、小野 貴之 (ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長)
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主要食品スーパー(SM)の2023年3月期決算が出揃った。世界情勢の混乱を背景とした食品の値上げラッシュ、未曾有の電気代高騰とコスト上昇圧力にさらされたなか、各社の業績は明暗が分かれた。本稿では、バローホールディングス(岐阜県/小池孝幸社長代行:以下、バローHD)、ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)、サミット(東京都/服部哲也社長)の主要SM3社の本決算をレポートする。

バローHD
28期連続増収も減益、DS展開に手応えあり

 バローHDの23年3月期連結業績は、営業収益が対前期比3.7%増の7599億円、営業利益が同5.4%減の200億円、経常利益が同4.5%減の230億円、当期純利益が同15.7%減の76億円と増収減益だった。営業収益は当初計画を上回り、28期連続の増収を果たしたものの、水道光熱費をはじめとした販管費上昇が利益を押し下げた。

バロー
「二毛作経営」の成果に注目だ。

 主要セグメントの業績を見ていくと、中核の食品スーパー(SM)事業の営業収益は同4.0%増の4218億円、セグメント利益は同10.3%減の133億円と増収減益。新規出店と21年10月に買収した八百鮮(大阪府/市原敬久社長)が加算された影響で増収となったものの、電気代上昇に加え、巣ごもり需要の反動減により既存店売上高も前期並みにとどまり、減益となった。

 ドラッグストア(DgS)事業の営業収益は同5.6%増の1609億円、セグメント利益が同46.3%

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

記事執筆者

小野 貴之 / ダイヤモンド・チェーンストアオンライン 副編集長

静岡県榛原郡吉田町出身。インターネット広告の営業、建設・土木系の業界紙記者などを経て、2016年1月にダイヤモンド・リテイルメディア(旧ダイヤモンド・フリードマン社)入社。「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属し、小売企業全般を取材。とくに興味がある分野は、EC、ネットスーパー、M&A、決算分析、ペイメント、SDGsなど。趣味は飲酒とSF小説、カメラ

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