ベイシア、新業態1号店で本格フレンチコース提案の衝撃

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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新しい店づくりの

成功例を深堀り!

 さて、ふだんの食卓に必要な食材の提供をメーンとする食品スーパーにおいて、ベイシアはなぜ本格的なフレンチメニューの開発を行ったのか。

 橋本浩英社長は「本格的なフレンチメニューを、総菜売場で、ここまで低価格で提供できている食品スーパーはほかにない。お客さまに売場でエンターテインメント性を感じてもらうとともに、業界全体に一石を投じたいと考えた」と話す。

 さらに橋本社長は「競合が激化するなか生き残っていくためには、他社と差別化を図り、新しい客層を開拓できる店をつくる必要がある」と述べる。

 実際、すでに新しい店づくりを進めてきたベイシアの店舗では、客数が増加し、かつ利用者全体に占める10~20代の若年層の割合が既存店平均の約5%に対し約10%と伸長する効果が出ているという。そこで、新しい店づくりをさらに進化させた新業態「マルシア」の出店によりこうした効果をよりいっそう発揮したい考えだ。

 今後ベイシアはこの新業態の店舗を広げていく方針で、前橋吉岡店よりもさらに完成度を高めた店を今年夏までにオープンする計画だ。

 

【ベイシア前橋吉岡店  概要】

所在地     群馬県北群馬郡吉岡町大久保 821
電話      0279-55-6222
営業時間 10:00~20:00
売場面積    3397 ㎡

 

 

 

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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