ファミリーマートがコスメキッチンとタッグで新スキンケアブランドを投入する深謀

取材・文:リテイルライター:太田美和子
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ファミリーマート(東京都/細見研介社長)は2022年10月、ナチュラル&オーガニックアイテムのセレクトショップ「CosmeKitchen(コスメキッチン)」と協業し、新スキンケア・ブランド「Mitea ORGANIC(ミティア オーガニック)」の展開を開始した。ファミリーマートの非食品カテゴリーといえば、衣料品ブランドの「コンビニエンスウェア」が大ヒットしたことでも知られる。ここにきてファミリーマートが新ブランドを投入するねらいは何か。担当者を取材した。

「目的買い」されるコンビニ・コスメをめざして

 新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)流行によって、化粧品市場には大きな変化があった。メーキャップ・カテゴリーは一旦消費が縮小したが、経済活動の再開によって回復しつつある。

 一方、スキンケア・カテゴリーは、マスク生活によって化粧をする機会が減り、自身の素肌に関心を持つ生活者が増えたことから、堅調に売上を伸ばしている。富士経済の調査(調査期間:2022年1月~3月)によると、スキンケア市場は21年に対前年比2.2%増、22年は同2.3%増(見込み)と堅調に推移した。

 そうしたなか、コンビニエンスストア(CVS)大手のファミリーマートは22年10月4日、「コスメキッチン」と協業し、スキンケア・ブランド「ミティア オーガニック」の商品を全国の「ファミリーマート」約1万6600店舗で販売開始した。

ファミマの「ミティア オーガニック」

ファミマの「ミティア オーガニック」
「ミティア オーガニック」は、クレンジングなどスキンケア商品4品目、口紅1品目3種、1日分のお試しセット1品目をラインアップ

 化粧品の企画・販売など多角的なビジネスを手がけるマッシュビューティーラボ(東京都/近藤広幸代表)が運営する「コスメキッチン」は、ナチュラル&オーガニックコスメを中心に雑貨や洗剤などを販売するセレクトショップで、実店舗のほかECも展開。オーガニックに関心の高い情報感度の高い生活者から支持を得ている。

 販売開始した「ミティア オーガニック」のコンセプトは「肌は、水とオイルでできている。」で、肌にとって重要な水とオイルに着目して開発された。クレンジングなどスキンケア商品が4品目、1日分のお試しセット1品目、口紅1品目3種を発売し、いずれの商品も価格は消費税込みで2000円を下回る。

 スキンケア商品としては手頃な価格帯だが、“コンビニ・コスメ”としては高額の部類に入る。ファミリーマートは、ロート製薬の「肌ラボ」や、ファンケルスキンケア商品を品揃えしているが、それらよりも1品当たりの単価は高い。

ファミリーマート商品本部日用品・雑貨部、日用品グループの新宅寛史氏
ファミリーマート商品本部日用品・雑貨部、日用品グループの新宅寛史氏

 「ファミリーマートでは昨今、『コンビニエンスウェア』やメーキャップ化粧品『sopo(ソポ)』などが話題になり、それら商品の目的買いのご来店が増えている。スキンケア部門でも目的買いをしていただける商品を品揃えしたいとの想いから発売に至った」と商品本部日用品・雑貨部、日用品グループの新宅寛史氏は導入の趣旨を語る。

 コロナ前、“コンビニ・コスメ”では、低価格商品の販売が好調だったとのことだが、「現在は

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