東武百貨店池袋店、新政策を盛り込んでコスメ売場を刷新

ダイヤモンド・ドラッグストア編集部
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 東武百貨店池袋店(東京都豊島区)では、30代、40代の大人世代がメーンユーザーのコスメ売場に若年層を取り込もうという戦略のもと、今夏、改装を実施した。「百貨店のコスメフロアは敷居が高いという印象から、気軽に買い物ができる場所として認知されるよう、さまざまな工夫を重ねた」と話すのは、東武百貨店婦人服飾雑貨部化粧品担当バイヤーの方波見洋氏。

 7月12日にオープンした「コスメティックフロア」(2階)は、国内外の有名コスメ47ブランドを集積したほか、新たに「コスメティックステーション」を設置した。このコスメティックステーションには、東武百貨店が独自で育成したナビゲーターと呼ばれる専門スタッフを3人置いていて、相談者に合う化粧品を、ブランドを横断して案内することができるコンシェルジュ機能や、新商品情報、テスター、カテゴリーごとの売れ筋1位商品の紹介などの情報発信を行う。

 方波見氏は、「相談機能だけだと立寄りづらい。情報発信など複数の役割を担うことで、お客さまとの接点が持ちやすくなった。当初の予想以上に、ナビゲーターに紹介された商品を同コーナーで、そのまま購入するケースも多い」という。

 同フロアには、各ショップが事前に予約をしてロイヤルカスタマーなどに商品を使った施術を、サービスの一環として提供できるスペース「コスメティックラウンジ」を用意。今後、稼働率を高めていきたい考えだ。

 また、9月6日には1階に、さまざまなブランドのスキンケアやメーキャップの売れ筋アイテムを揃え、自由に試したり、セルフで購入できたり、商品知識の豊富なスタッフのカウンセリングを受けたり、生活者が自分流に買い物を楽しめるセミセルフの売場「コスメティックパレット」を開設した。2階に出店している9ブランドのほか、コスメティックパレットの店長が日本初上陸のブランドなど、独自の視点でセレクトしたコスメを紹介している。

 ドラッグストアをはじめとするセルフ業態が、コスメのカウンセリング販売を強化する一方で、対面販売によるカウンセリング販売を得意とする百貨店が客層の裾野を広げるべく、ブランドの枠を超えた商品の案内をするコンシェルジュを配置したり、セルフの気軽さを取り入れたりする潮流が、ここ1、2年の間に広がっている。今回新設した1階のセミセルフの売場は、百貨店のコスメ売場の対面販売にプレッシャーを感じる生活者にも気軽に足を向けてもらい、商品に触れてよさを知ってもらうことで2階へと誘導する流れをつくるための、まさに戦略的な売場と言える。

 このように、化粧品販売の流れが大きく変わってきているなかで、「改装を境に、20代の若い女性客がコスメフロアを回遊している姿が見られるようになった」という方波見氏は、コスメフロアの年商目標60億円に向けて、一定の手応えを感じている様子だ。

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