22年7月15日号 西友変身!

これまでウォルマート傘下でEDLP(エブリデー・ロー・プライス)を軸とする価格競争力に強みを持つ西友が、2021年3月に就任した大久保恒夫社長のもと、“変身”しているのをご存じでしょうか。従来は効率的な店舗運営を重視する目的から、本部主導で全店統一された仕入れや売場づくりを行っていましたが、今では地域や店舗独自のニーズに対応すべく、低価格を維持しながら品揃えを柔軟に変える地域対応や個店経営を推進しています。また、従来から強みとするプライベートブランド「みなさまのお墨付き」だけでなく、生鮮食品や総菜でも製造小売化を進め、調達改革も実施しています。 こうした店舗での取り組みのほか、新たに西友の株主となった楽天グループとはネットスーパーやデジタルマーケティングでの連携を進めています。国内屈指のOMOリテーラーとなるべく、データ分析の精度を高め、顧客満足度の最大化に努めています。 リアルでもネットでもナンバーワンをめざす西友――。そんな同社の今を、本特集を読んで知っていただけると幸いです。

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編集後記

止まることのない値上げの波、この時期としては異常ともいえる猛暑、それに伴う電力需給のひっ迫、KDDIの大規模通信障害……と、梅雨が明けてもなんだか気の滅入るニュースが続いています。 その一方で、コロナ関連の規制は緩和されたまま夏休みのシーズンを迎えることになりそうです。仕事柄出張が多いのですが、新幹線や飛行機では曜日を問わず多くの人で混雑する場面が明らかに以前よりも増えています。もっとも、足元では感染者数が増加傾向にあるという不穏な動きもありますが。 小売業にとって夏商戦は年末商戦に並ぶ書き入れ時。何事もなく夏を迎えたいところです。私も手持ちの膨大な量のタスクを早く仕上げて夏休みに入りたいです…。

雪元

季節外れの猛暑に電力逼迫、終わりの見えない物価高と、2022年の夏は波乱のスタートとなりました。未来を予測するのが難しい時代に生きていく指針を見つけるべく、歴史にヒントを求めているのですが、最近読んだ「楡家の人々」は非常に面白かったです。北杜夫著の同書は、精神病院を舞台に、大正から昭和、第二次大戦までを「市民の目線」で徹底して描いた作品です。観念的な記述が排除されていることも、資料性が高い作品と言われる所以です。太平の令和の時代を、当時の激動の30年と比べることなどおこがましいとしか言いようがありませんが、大きな運命に翻弄された先人から学ぶところは多いと思うのです。

湯浅

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