カテゴリーフォーカス:ノンアルコール・ビールテイスト飲料、味の改良に加え健康訴求商品の好調で市場が拡大

2020/08/07 12:00
文=石山真紀(ライター)

ノンアルコール・ビールテイスト飲料のマーケットは、健康訴求タイプの商品の好調に加え、新型コロナウイルスの影響により外出を避け家で食事をする機会が増えたことから需要が拡大し、安定した成長を続けている。

家飲み
外出制限による運動不足や、休肝日としてビール類からノンアルコール・ビールテイスト飲料に切り替えといったニーズが増加。新規ユーザーの獲得にもつながっている。gettyimages/recep-bg

マーケットトレンド

消費税増税後も勢い衰えず 成長続くカテゴリー

ノンアルコール・ビールテイスト飲料は、近年、健康志向の高まりを背景に市場が拡大している。同カテゴリーに対する認知も広まり、ビールらしいのどごしや爽快感、糖質に配慮した健康軸を打ち出した商品など、ラインアップも多様化している。

 KSP-POSによると、ノンアルコール・ビールテイスト飲料カテゴリーの2019年6月から20年5月の期間通算の金額PIは、対前年比6.8%増の2645円、数量PIは同4.6%増の10.88と、金額・数量ともに前年を上回る結果となった。

 月別の推移を見てみると、気温が上がらずアルコール類を含めた飲料全体が苦戦した19年6、7月は前年を割ったものの、8月には回復し、9月は消費税増税前の駆け込み需要によって同15.7%増と大きく伸長。10月は増税後の反動で数字を落とすカテゴリーが多いが、ノンアルコール・ビールテイスト飲料は同8.8%増と伸ばしており、市場全体が好調であることがわかるだろう。この好調は今年に入ってからも続いており、20年1~5月は3月を除き、すべての月で2ケタ増の伸長となっている。

 20年2月以降は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、生活者のライフスタイルが大きく変化。緊急事態宣言が解除された現在も、購買行動に大きな影響を与えている。

 これは同カテゴリーにも当てはまることで、外出制限による運動不足を気にする人が増え、休肝日としてビール類からノンアルコール・ビールテイスト飲料に切り替えたり、糖質やプリン体が少ない商品を意識して選びたいといったニーズが増加。新規ユーザーの獲得にもつながっているようだ。

ノンアルコールビール月別推移

提案型の売場づくりでトライアルを促進

 運転中の人や病気・授乳期の人など、長年、アルコールを摂取できない人向けのイメージが強かったノンアルコール・ビールテイスト飲料だが、近年は代替品としての飲用だけでなく、日中のちょっとしたリフレッシュやランチタイムなど、幅広いシーンで積極的に飲用されている。

 パナバックの「ヴェリタスブロイ」は、ノンアルコールでありながらドイツビールそのままのコクやキレを残すことに成功した味わいのよさが特徴。9種の必須アミノ酸を含む19種類のアミノ酸をバランスよく含むことから、健康志向の女性を中心に新たな顧客を獲得している。

 今期については新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自宅で過ごす時間が増える中、改めて健康志向が高まっており、健康機能を備えたノンアルコール・ビールテイスト飲料への期待はさらに高まりつつある。酒類売場は補充が追い付かず売場も乱れやすいが、補充のオペレーションを見直すなど、欠品によるチャンスロスを防ぐことも重要だろう。

 各メーカーは新商品開発やリニューアルを機に中味のブラッシュアップに努めており、機能だけでなく味わいも格段に進化している。それぞれの商品特徴を販促ツールを用いて紹介したり、6缶パックを積み上げコーナー化するなど、提案型の売場づくりによって生活者に気づきを与えトライアルの促進を促したい。

注目メーカーマーケティング パナバック

健康訴求で新たな顧客を獲得 脱アルコールビール「ヴェリタスブロイ」

ヴェリタスブロイ

ビールの本場ドイツの老舗醸造所との共同開発で生まれたパナバックのノンアルコール・ビール「ヴェリタスブロイ」。ビール純粋令を貫くこだわりの製法に加えて、近年は豊富なアミノ酸やミネラルを含む飲料としても注目されている

日本人の味覚にあわせた脱アルコールビール

 2012年発売の「ヴェリタスブロイ」はビールの本場であるドイツから直輸入したアルコール度数0.0%の完全無添加ノンアルコール・ビールだ。

 同ブランドの最大の特徴は1516年にドイツで制定された世界最古の食品法令である「ビール純粋令」を厳格に守り造られている点にある。既存のノンアルコール・ビールはアルコールを含まないため、ビールらしい味を再現するために糖分や人工の添加物等を使用している。しかし、「ヴェリタスブロイ」の原料はプレミアムモルト、ホップ、ビール酵母、天然水のみで、添加物は一切使用していない。

 また「ヴェリタスブロイ」は国産のノンアルコール・ビールの製法とは大きく異なり、上質な原料と本格醸造製法でビールを造った後、アルコールを抜くという製法をとっている。

 従来の脱アルコール技術では、アルコールを抜く際に風味も抜けてしまい、醗酵を抑えてアルコール分を少なくすると、コクはあるが日本人の好むキレが不十分になるということが多かった。しかし「ヴェリタスブロイ」は約400年の歴史を持つ老舗ブルーワリ―の持つ伝統の技で造られたプレミアム・ピルスナービールに、最先端の脱アルコール技術を加えることで、ノンアルコールでありながらドイツビールそのままのコクやキレを残すことに成功している。

 本場ドイツビールの自然な味わいを実現した「ヴェリタスブロイ」は、国際食品・飲料展「FOODEX JAPAN」が主催する「FOODEX美食女子グランプリ」にて3年連続で金賞を受賞している。

代替品ではなく嗜好品 豊富に含まれる栄養素も魅力

 パナバックではノンアルコール・ビールに対しビールの代替品としてではなく、飲んで本当においしいと感じられる風味にこだわり商品開発を行ってきた。本場ドイツのピルスナービールの味わいを持ちながらも、「アルコールゼロ」「コレステロールゼロ」「脂質ゼロ」「低カロリー(12kcal/100ml)」を実現した「ヴェリタスブロイ」は、健康軸でみても魅力的な商品となっている。

 海外の研究機関の調査によると、ビールの原料であるホップにはポリフェノール、麦芽にはビタミンB1、B2、B6、イノシトール、葉酸、パントテン酸、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、ナトリウムなどビタミンやミネラル類が多く、ビール酵母にもタンパク質や核酸、ビタミンB1、B6、B12、食物繊維などが含まれている。

 「ヴェリタスブロイ」にはロイシン、フェニルアラニン+チロシン、バリンといった9種の必須アミノ酸を含む19種類のアミノ酸をバランスよく含有。またカリウム、カルシウム、マグネシウムといったミネラルをはじめ、ビタミンB3、B6、B9、ポリフェノール、ギャバなどの各種栄養素が豊富に含まれている【図表】。

 この調査結果を受けパナバックでは店頭用に製法や商品特徴を記した販促用POPを準備。ビール代替品としてのノンアルコール・ビールではなく、味わいを重視した伝統製法と、健康飲料としての魅力を持つ脱アルコールビールである点を訴求することで、「ヴェリタスブロイ」の拡販をめざしていきたいとしている。

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