ESG経営が「リスクまみれのD2C化」を推進する理由
ESG(環境・社会・ガバナンス)経営が、これまでとは比較にならないほどアパレル産業にとって重要となり、もはや無視できないほどになってきた。
私は、ESG経営とは、
しかし、地球のどこで生産されているのか掴むことさえできないほど複雑になったサプライチェーンは、早晩トレーサビリティ(透明性)責任が課せられ、DX(デジタル変革)によるEC化と相まって、結果としてD2C(Direct to consumer 製造業が消費者にデジタル技術を使って直販するビジネスモデル)化が加速することになる。しかし、その結果われわれが直面する「事業リスク」
環境規制が進めば、アパレルの
自社工場化も進む

国内アパレル産業の市場規模はついに8兆円を切り、もはや、人口減少と実質所得の低下だけではアパレル不況を説明できなくなった。加えて、SDGsの広がりは、既存アパレル業界にとっては、ネガティブ要因にしか働かない。「買い替え需要の長期化」と「二次流通の大きな拡大」を助長したことは、いまさら定量的に証明する必要も無いだろう。
しかも、SDGs対応について多くの企業はIR活動やPR対応と考えてい
SPA(製造小売)であり自社ブランドで販売している以上「