Z世代の衝撃#3 既存アパレルが古着を売っても失敗する明確な理由とは

河合 拓
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「次の10年」の消費を担うZ世代を正しく分析するため、私は三現主義(現場、現物、現実)に則って、古着の聖地・下北沢へ行った。「Z世代は環境意識が高いから、古着を大事に使う」というのは事実誤認である、という私の仮説を検証するのが目的だ。
定量調査というのは、あらかじめ仮説があり、その仮説に重みづけをするものだ。だから、もし初期仮説が間違っていれば、その後の解釈は自由になり、「世界中の消費者が環境意識の高い衣料品を買う」など声高らかに発言する人もいるし、「全体の購買要因の5%以下」という定量調査と全く逆の結論を導き出す人もいる。
こんな数字は信用に値しない。必ずリアルな現場に身を置き、現実を直視しながらそこで起きていることを「feel」する。私が提唱する「二次流通が広まらない理由」を探すための旅である。

tdub303/istock
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「古着の方が格好良い」
「服などに金をかけたくない」

古着の聖地、下北沢は、私の自宅から自転車で15分程度のところにある。古着に興味のなかった50代アッパーの私は、今まで古着店に入ったことがなかった。
今回は8軒の店舗に入り、カフェでこの論考を書きながら若者の熱気溢れる街を楽しみ、そして、若者を観察した。これで、5度目だ。

下北沢を闊歩する若者は熱量溢れる男女ばかりだ。決して奇抜なファッションをしているわけではないが、なるほど、古着はこのように着こなすのか、と私も大いに学んだ。
彼らが着ている服は、いわゆるアパレルが残した「売れ残り在庫」のようなものではない。あえて言えば、「ちょっとおかしい服」ばかりだった。
例えば、ニットでいえばスマイルマークの絵がジャガードで編んであったり、キユーピーマヨネーズでお馴染みの「キューピーちゃん」のプリントがあったりと面白い。ライダーズのブルゾンはよれよれの革なのだがいい味がでているし、ドラム缶のようなシルエットの太いパンツも置いてあったりしている。
いわゆる業界で「キレイめ」と呼ばれるプロポーションのものはない。
彼らは、お金がないから古着を買っているというより、「古着の方が格好良い」という気持ちと「服などに金をかけたくない」という思いとがかけ合わさっている気がした。

 

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