Z世代の衝撃#4 Z世代を追えば敗北必至!取るべきトーキョー・ショールーム・シティ戦略とは

河合 拓
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過去3週に渡って解説してきた「Z世代の衝撃」も今回で最終話。この「Z世代の衝撃」を読み、あなたは何を感じたか。「次の10年を生き残るため、Z世代攻略法のヒントが見えた」あるいは、「そんなことはわかっていたことばかりだ」などと感じている人は、いわゆる古代哲学の「イデアの洞窟」に閉じ込められている「囚人」だ。イデア論を知らない人は論外。一般教養を学ばないから「アパレル村の住民」などといわれ、業績悪化の原因を「天気」と「トレンド」の責任にしかできない。
Z世代の衝撃の結論をかみしめ、理解し、ぜひ具体的な戦略の実行へと移して欲しい。もしあなたがこのまま進めば、敗北は必至なのである。

Mlenny/istock
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Z世代を取り込みたいあなたにとって、不都合な真実とは

私がこの連載、「Z世代の衝撃」で言いたかったのは、第一話では、まことしやかに語られる「ライブコマースが勝利の方程式」などという的外れな論調、第二話ではZ世代の多くはBTSBLACKPINKなどにシビれ、インスタのコンバージョンも韓国企業であるDholicや中国Sheinなどアジアの新興勢力にすでに支配されていることだ。

今から10年後、SDGs教育により買い換えサイクルが長くなり、古着マーケットは拡大すると見られている。その一方で今の日本を代表するアパレルのターゲットである50-60代の中高年は現在人口構成比で60%を占めるがこの割合が約7ポイントも減少する

そこで第三話では、古着マーケットの可能性を探った。だが、日本のオジさん、オバさん向けのアパレルの古着などいくら売ってもZ世代は買ってもくれないことを解説した。

さらに、政府が湯水のように貸してきたコロナ融資が手のひらを返したようにストップした一方で、2021-22秋冬は在庫の仕入れすぎで現金は減少。このコロナ融資は10年後に一括返済しなければならないのだが、この時産業界に爆弾が落ちる。さらに、PLMなどデジタルツールに対して、アパレルや商社が戦略無く、無駄な投資をあちこちで行うものだから、バリューチェーンの流通コストが膨れ上がった。もはやファーストリテイリングやグローバルSPAに勝とうなどということも不可能になってきた。

つまり私は、あらゆる統計や公開資料を見ながら、Z世代を分析し、このセグメントに入ることは死を意味することを伝えてきたつもりなのだ。

以上の環境要因から、今後10年でアパレル小売市場は1015%減少し、5兆円程度になると私は見ている。こんな世界があと10年でくるのだから、この先5年は既存事業と新規事業を同時に稼働させ、複数の事業に濃淡をつけ、投資をしたり止めたりすることで、会社全体のバランスをとるプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)戦略を採用すべきだ。

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