物流統合にPB統合も ビッグ・エー、アコレと統合でさらに進化するDS事業の成長戦略
イオン(千葉県/吉田昭夫社長)傘下で小型ディスカウントストア(DS)を運営するビッグ・エー(東京都/三浦弘社長)とアコレ(千葉県/同)。この2社はドイツを中心に世界各国で店舗を展開しているハードディスカウントストア(HDS)のアルディ(Aldi)とリドル(Lidl)を長年ベンチマークしながら、店舗開発や商品開発を進めている。2021年3月にはビッグ・エーがアコレの店舗事業を承継するかたちで経営統合する予定で、今後は物流や商品の統一も進めていく考えだ。
消費増税、コロナ禍がDS業態の追い風に
新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり消費やまとめ買い需要により、特需に沸く食品小売業界。イオングループの小型DS、ビッグ・エーとアコレもその例外ではない。
20年8月末時点で、首都圏を中心にビッグ・エーは231店舗、アコレは111店舗を展開している。20年1~6月の既存店売上高対前年同期比は、それぞれ32.2%増、25.5%増という大きな伸びを達成した。両社で経営トップを務める三浦弘社長は「19年10月の消費増税からこの1年、消費環境に影響を及ぼす要因がいくつもあったが、われわれには有利に働いてきた。この波を一過性に終わらせず、継続的なものにしていきたい」と語る。
消費増税は消費者の節約志向が高まるため、D S業態には追い風となる。ビッグ・エー、アコレでは、19年9月は消費増税前の駆け込み需要があり、10月は台風被害に見舞われたものの、反動減はさほど感じられなかったという。昨年の消費増税の場合、食品には軽減税率が適用されたこともあるが、消費税10%の対象となった酒類においても、9月末までの駆け込み需要に対し、「10月第3週には、年金支給日の関係もあるが、ほぼもとの数字に戻っていた」(三浦社長)とのことだ。
コロナ禍では、ビッグ・エー、アコレともに住宅街立地の店舗が多いことが奏功し、イオングループのほかの食品スーパー(SM)企業よりも大きく売上が伸長している。「在宅勤務、学校の一斉休校などにより、当社がドミナントを有する住宅街立地は、昼間人口の増加もあって、大容量のファミリーパックがよく売れた」(三浦社長)。たとえば、乾燥パスタは通常300~450gの商品が売れ筋だが、この時期は1kgなどの大容量商品に人気が集中。から揚げ用の鶏肉やハンバーグ用のミンチ肉なども同じような傾向がみられたという。
「4月の緊急事態宣言以降、お客さまは4つの観点で店舗を選ぶ傾向が強くなったと感じた。その観点から当社の店舗を多くのお客さまに選んでいただけたのではないか」と三浦社長は話す。1つめは、衛生面での安心感だ。コロナ禍において、店舗ではアルコール消毒液の設置や従業員のマスク着用などの感染防止策を講じていることが重視されるようになった。2つめは在庫が確保されていることだ。コロナの感染が拡大し始めた20年2~3月は、トイレットペーパーなどの日用品や備蓄用の大容量の食品が欠品するという事態が起こった。「店にきちんと商品が置いてあること」はお客にとって最も重要なことの1つだ。
3つめは、
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