コロナ禍でも絶好調のダラー・ゼネラルとダラー・ツリー
低所得者層がターゲットゆえに引き起こす社会問題とは?
低価格な生活必需品でコロナ禍でも好調を維持
新フォーマットで新規顧客の開拓にも意欲
米国では、低価格を強みとする業態として、アルディ(Aldi)やリドル(Lidl)といったハードディスカウンター(HDS)のほか、ダラーストアの存在感が増している。従来、ダラーストアは低所得層を中心に支持を得ていたが、近年では客層の拡大にも取り組んでいる。本稿では、ダラーストア業態大手のダラー・ゼネラル(Dollar General)、ダラー・ツリー(Dollar Tree)が、どのように低価格を維持しながら利益を確保しているのかを解説する。
ダラー・ゼネラルはコロナ禍で2ケタの増収増益

米国ダラーストア業態の2強といえば、ダラー・ゼネラルとダラー・ツリーだ。コロナ感染拡大のピーク時にも、両社は“エッセンシャル・ビジネス”と位置づけられ、出店するすべての地域で営業を継続した。3月から5月頃は紙製品や洗剤、食品がよく売れていた。感染拡大がピークを過ぎてからは、家庭雑貨や玩具、アパレルなどのカテゴリーが好調だ。
7月31日に終了したダラー・ゼネラルの20年度上半期の売上高は、対前年同期比25.9%増の171億3270万ドル(約1兆8000億円)と大きく伸びた。営業利益は同75.2%増の19億940万ドル(約2000億円)だった。一方、8月1日に終了したダラー・ツリーの20年度上半期の売上高は、同8.8%増の125億6440万ドル(約1兆3190億円)、営業利益は同13.2%増の7億4080万ドル(約780億円)だった。
ともにダラーストア業態に分類されている両社の売上成長率に大きな違いが生じた理由の1つは、
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