アパレルのEC化率が高まるほど、ユニクロに完敗する明快な理由
最も効果のある広告は「店」
消費者調査をすると、今最も効果のある広告は「店」であることがわかっている。ユニクロが海外進出時に、最も地価の高いところに、最もでかい売場を作る、あるいは、最近であればユニクロパーク(横浜)や原宿にポップアップストアを建てるのは、売り目的もあるが、実はブランディングの一環であり広告なのである。
自分でものごとを論理的に考えず、代理店の言いなりになって高い金を投下するのは自殺行為だ。なぜなら、多くの消費者が見るのは、楽天やAmazon、ZOZOなどのモールだ。そこではAIが、「それを買うなら、もっと安い商品がありますよ」とレコメンドする。消費者は、そもそもブランドにロイヤルティなど感じていないのだから、安い方をポチって終わり、なのである。つまり、マーケターの言うとおりにして、広告投下すればするほど、似ている競合商品が売れるだけなのだ。広告投下しても利益率が減りつづけている企業は上記ロジックを疑ってみれば良い。カスタマージャーニーなどという言葉に踊らされ、まったく購買行動を分析できていない。
このように、合理的に考えてみれば、アフターコロナの時代にECが拡大する余地はない。あるとすれば、企業の業績が著しく悪化し、売上全体が落ちる中で、相対的にECの比率があがるだけなのだ。