ハブ&スポークシステムで強化される米国物流 その発明がもたらしたものとは
米国小売業の物流政策は日進月歩だ。なかでも群を抜いているのはウォルマートである。2021年8月には、提携したガティック(Gatik)社と自動運転無人配送トラックの実用化をスタートさせている。

「ハブ&スポークシステム」という発明
その内容は、ダークストア倉庫と小型店舗であるネイバーフッドマーケットを2台の無人トラックが往復ループ輸送するもの。店舗内にMFC(マイクロフルフィルメントセンター)を併設できないネイバーフッドマーケット向けの試みである。物流面でのハブ&スポークシステム導入は、すでに10マイル以内に米国民の90%が居住すると言われるウォルマートの店舗網の強みをさらに強化させそうだ。
さて、ハブ&スポークシステムということで思い出したのは発明者のフレッド・スミスだ。念のため説明をすると、「ハブ」は自転車車輪の軸、スポークは「ハブ」から放射状に伸びた輻(や)のことを指す。スミスは、元アメリカ合衆国の海兵隊員。退役後に通ったビジネススクールでハブ&スポークシステムについてひらめき、論文を提出した。
「6か所の空港を直行便で結ぶと15本の空路が必要。しかし、ハブ空港を設ければ、5本の空路のみで済む」ことを発見したのだ。実に単純明快である。
1 2
千田直哉の続・気づきのヒント の新着記事
-
2025/05/06
競争に勝つためには、まずは敵を知ること -
2025/01/16
成功を超える喜び!経営者が見つけた「人材育成」の本質とは -
2024/09/02
魅力的な売場…抽象的な誉め言葉の意味を明確化するために必要なこととは -
2024/08/02
日本酒類販売社長が語る、2023年の酒類食品流通業界振り返り -
2024/07/03
「何にでも感激する経営者」の会社が業績が良い“意外な”理由 -
2024/06/07
経費率16%なのに?ローコスト経営企業が敗れ去るカラクリとは
この連載の一覧はこちら [1801記事]

関連記事ランキング
- 2025-01-27グリーンビーンズ、5か月で会員倍増、21万人増の理由とさらなる成長戦略
- 2025-03-27家電量販店、製・配・販で物流協業へ
- 2025-06-03ウォルマートも本格活用! 物流を変革し得る「ジオスぺーシャルテクノロジー」とは何か
- 2019-12-17米アマゾン、フェデックスの利用縮小 指定日配達の実績が原因か
- 2020-03-06楽天、送料無料化で18日からの一斉開始の撤回を検討=報道
- 2020-03-19楽天、「楽天市場」の送料無料を一部店舗でスタート、購入額3980円以上で
- 2020-08-05コロナ禍で需要急増したネットスーパーの未来と課題とは?
- 2020-10-26元メルカリCIO招聘に共同仕入れ機構設立…宅配需要急増下で驀進するコープさっぽろの成長戦略
- 2020-10-29生産者を支援する制度も 厳格な安全基準設けた青果で差別化する隠れたスゴイ生協
- 2020-10-29全国生協アンケート!コロナ禍で宅配、店舗の経営環境はどう変わった?今後の課題と強化施策は?