製・配・販 チャネル効率の 5つの真実

青木英彦:東京理科大学大学院教授
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小売業の行動がチャネル全体の効率を決める

 連載第2回では、チャネル世代間の格差を実際の売上高で検証するとともに、日本の第一世代チャネルには、小売業への悪しきインセンティブが内在されていることを見た。連載第3回では、この悪しきインセンティブによるチャネル全体への悪影響と、取引ルールのあるべき姿について議論する。

配送トラックのイメージ
現在の取引ルールは製・配・販すべての企業価値に悪影響を及ぼしている(写真はイメージ、andresr/istock)

 まず指摘しておきたい重要な点は、小売業の行動によって、チャネル効率の大半が決まってしまうという事実である。たとえば、小売段階での需要の波動は、卸、メーカー、そして原材料供給先へとさかのぼるにつれ増幅されるという現象がある(ブルウィップ効果、図表❶参照)。小売業が、頻繁に価格を上下させ需要の波動を作り出すと、その波動が

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