虎穴に入らずんば
私「テニスはミスのスポーツなので、とにかくミスしないように慎重にボールを返すように心掛けています。そうすると相手がミスってくれ、勝っていることが多い」
テニスコーチ「考え方は人それぞれですから、その戦法を否定はしません。でも、あるレベルまでいくとそれでは勝てなくなりますよ。ただ相手コートにボールを返すだけでは、相手もあなたのことを見透かすようになるからです」
私「じゃあ、どうすればいいんですか?」
テニスコーチ「ミスを恐れずにどんどんあなたの得意とするハードヒットをしていくことです。確かにテニスは“ミスのスポーツ”ですから、相手のミスを誘発させる作戦というのはあります。でも経験から言って、そんな作戦で優勝した人はいません。実は、私は、スキーの滑降競技をやっているのですが、ミスを恐れて攻めていかなければ、完走はできても、まあ勝てることはありません」
私「そんなもんですか?」
テニスコーチ「そんなものです」
私「いまふと思いついたのですが、企業も同じかもしれません。ミスを恐れて現状に安住していると、何回かは勝てるかもしれないけれども、やがて競合企業にキャッチアップされ、追い越されてしまう。『虎穴に入らずんば虎児をえず』というか、持てる力を十二分に出し切ることが求められます。凋落していった企業は、力を小出しにしたり、出し惜しんだりしているケースが多いような気がします。ipodにやられてしまったソニーはその典型ではないですかね」
テニスコーチ「そんなものですか?」
私「そんなもんですね」