落語家・立川志ら乃のスーパーマーケット徒然草 第16回 勝手に応援!関東ローカルの星「文化堂」のこれからを考える
文化堂よ!小兵・炎鵬のごとくイオンスタイルに立ち向かえ!
そして、こんな妄想を抱きます。もし文化堂有明店の売上が目に見えて落ちていて、それをどうにかしないといけない立場になったら何をするだろうか…?
「安売り」で戦っても勝ち目はない。しかし「よそはよそ、うちはうち」という態度ではじり貧になる気がする…。芸人が売れる手段としては、影響力のある人に「こいつおもしろいよ」と言ってもらうのがなにより。それを当てはめるならイオンスタイルに「近くに文化堂っていういいスーパーがあるよ」と喧伝してもらうのが最良だけれども、おそらく不可能。
うわ! 何も思いつかない!! …待てよ、仮に9割の客を持って行かれたとしても、残りの1割を熱狂的な根強いファンに育てて行けばどうにかなるのでは? イオンスタイルにはなくて、文化堂にある「売り」はあるのか?
そこでふと「関東ローカルスーパー」というキーワードを思い出しました。これを前面に押し出して、イオンスタイルや有明ガーデンと真っ向勝負!みたいなことを大々的に打ち出すのはどうだろうか?
「イオンスタイルとまったく同じ量のおこわ販売中!」
「有明ガーデンのカルディでも好評の缶詰はこちら!」とか、
とにかくローカルスーパーがイオンスタイルや、大手複合施設に挑んでいる姿をアピール。
「先日開業した無印良品で買って来た棚に並べてあるピザはこちら!」
でもなんでもいい。小兵力士の炎鵬が大きい力士に向かっていく姿勢に感動するのであれば、スーパーだってその姿勢を見せ、感動を与えればいい。
そしてこれはちょっと有明店の話とはずれてしまいますが、関東ローカルスーパー同士でのコラボというか、相互乗り入れみたいなことはできないのか? とも妄想。例えば、文化堂とオオゼキの”相互乗り入れ”みたいな。オオゼキに通っていた人が引っ越しをして、その転居先に文化堂があれば文化堂のファンになってくれる可能性が高いだろうし、オオゼキのことも忘れないでいてくれるのではないだろうか。
経営のことなど何もわからないので、どれくらい無茶苦茶な意見なのかがわからないけど、大手の出店攻勢にローカルスーパーが対抗しなければならない場合、すでに存在する店舗を利用する以外にないように思うのです。
ここまで、完全なる素人了見としての意見をいろいろ書きましたが、それは私自身、師匠志らくからの「何でもいいから、とにかくオレを超えろ」という難題に応えられない日々を過ごしているので、勝手に文化堂有明店を自分に置き換えて考えてしまいました。
あと、文化堂有明店がイオンスタイルができて困っているというのは私の妄想で、順調な経営を続けているのであればテキトーなことを言って本当にごめんなさい。
追伸。現在、文化堂のお総菜全種類食べ尽くし企画をひっそり開催中です。機会があればいずれ本連載でもお伝えします。
立川志ら乃
1974年2月24日生まれ。98年3月、立川志らくへ入門。2012年12月に真打ち昇進。16年7月に「スーパーマーケットが好きである」ことを突如自覚。スーパーに関する創作落語に「グロサリー部門」「大豆なおしらせ」など。寄席やイベントなどのスケジュールは下記Twitter・ブログをご参照ください。
Twitter:@tatekawashirano
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