7商社、軒並み最高益=ロシア事業で損失―22年3月期

時事通信
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三菱商事のロゴマーク
三菱商事のロゴマーク=9日、東京・丸の内(時事通信社)

 大手総合商社7社の2022年3月期連結決算(国際会計基準)が10日、出そろった。資源価格の高騰で全社とも純利益が過去最高を記録。その半面、ロシア事業では損失計上を余儀なくされた。ウクライナ情勢の先行きが不透明な上に、資源高も一服するとの見方から、23年3月期は三菱商事など6社が減益を予想した。

 22年3月期は、三菱商事の純利益が前期の5.4倍に相当する9375億円に膨らみ、2期ぶりに業界首位に立った。原料炭価格の上昇やサケ・マス養殖が好調だった。三井物産も鉄鉱石などの高騰で2.7倍の9147億円。伊藤忠商事は資源高に加え、情報・金融事業など非資源分野がコロナ禍からの回復需要を取り込み、8202億円と2倍に増えた。

 丸紅は前期比90.1%増の4243億円。豊田通商と双日も資源高や自動車販売の好調で利益を伸ばした。住友商事は海外鉱山の操業停止で赤字に陥った前期から一転、4636億円の黒字となった。

 一方、ロシア事業では、三井物産が北極圏で計画中の液化天然ガス(LNG)事業「アークティックLNG2」で209億円を損失処理。ロシア国内で航空機が没収される恐れがあることから、住友商事は500億円、丸紅は107億円の減損損失を計上した。極東の石油・天然ガス開発事業「サハリンプロジェクト」では、三井物産と三菱商事、伊藤忠商事、丸紅の4社が資産評価の減額に追い込まれた。

 ◇大手商社の連結純利益実績と予想
        2022年3月期実績    23年3月期予想
三菱商事    9,375( 5.4倍)  8,500(▲ 9.3)
三井物産    9,147( 2.7倍)  8,000(▲12.5)
伊藤忠商事   8,202( 2.0倍)  7,000(▲14.7)
住友商事    4,636( ― )    3,700(▲20.2)
丸紅      4,243( 90.1)  4,000(▲ 5.7)
豊田通商    2,222( 65.1)  2,100(▲ 5.5)
双日        823( 3.0倍)    850(  3.2)

(注)単位億円。カッコ内は前期比増減率%または倍率、▲はマイナス。―は比較できず

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