EDLPの成功で拡大続くスーパーマーケットの冷凍食品 新たに浮上した課題とは何か

山本純子(冷凍食品ジャーナリスト)
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冷凍食品は生鮮食品 コールドチェーンを切らないことが重要

消費者にとって利便性の高い場所に冷凍食品を配置することが重要だ(JGalione/istock)
消費者にとって利便性の高い場所に冷凍食品を配置することが重要だ(JGalione/istock)

 もう1点、SMに再考を促したいことがある。それは冷凍食品売場の位置である。結論からいえば、レジに近い総菜売場の対面が今のところベストの位置だと考える。総菜売場と冷凍食品売場が近づくことで、当日すぐに食べるメニューとしての総菜と、買い置きとしての冷凍食品を選ぶ空間が演出できる。総菜業界にはかねてより、生鮮3品に総菜を加えて「生鮮4品」という言葉があった。ここにさらに冷凍食品を加えて、「生鮮5品」を主張したい。冷凍食品売場では温めるだけで食卓に並べることができる商品ばかりではなく、弁当向け商品、米飯や麺の主食系、スナック、野菜・フルーツ、スイーツまで揃うことはいうまでもない。

 さらに、生鮮のごとくフレッシュな冷凍食品は、マイナス18℃以下の温度管理が重要である。レジに近ければカゴに入れて店内を回るうちに半解凍、といった事態を招く心配もない。真夏にアイスを買った場合は誰でも相当の配慮をもって持ち帰ると思うが、それと同等の温度ケアをして冷凍食品は本来持ち帰るべきなのである。レジを通過後にしっかりと保冷バッグ、保冷剤(もしくはドライアイス、氷はNG)を使い、持ち帰ることを推奨してこそ、冷凍食品の販売は完結する。

 付け足して苦言をいえば、最近、冷凍野菜や冷凍水産系商品・畜肉系商品をバラバラに配置する店舗が多くなっているように見えるが、これは親切なようでいて、実は顧客の利益にはつながっていない。品質保持にコールドチェーンが重要な役割を果たす冷凍食品。売場が分散することはそれだけ品質の低下を招いてしまうということでもあるのだ。

 コールドチェーンは家庭までつなげなくてはならない。買って帰ったら即冷凍庫に入れ、賞味期限に限らず買ってから3カ月以内に使い切るなど、おいしく食べる商品知識を普及させてこそ、次の購買につながり、そのSMの冷凍食品売上は伸びていくと認識してほしい。作る者も運ぶ者も、販売者も消費者も、コールドチェーンで品質をつなぐワンチームなのである。

 

山本純子責任編集、冷凍食品専門情報サイトは「エフエフプレス」(https://frozenfoodpress.com/)

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