緻密なデータ分析と独自の商品開発進む ドラッグストアの冷食MD分析!

解説:アイスコ執行役員フローズン事業部営業本部長:岸裕一
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食品強化に動くドラッグストア(DgS)各社。なかでも昨今、売場や品揃えを拡充しているカテゴリーが冷凍食品である。その動きは食品スーパー(SM)をはじめ競合となる食品小売業にとって大きな脅威となるものだ。DgS各社の直近の冷凍食品における取り組みや今後想定される方向性を、アイスクリーム類と冷凍食品類の卸売事業を展開するアイスコ(神奈川県/相原貴久社長)の役員に聞いた。
※画像は編集部が過去に取材したものより内容に沿ったものを掲載

DgSでもついで買いから目的買いされる商品へ

 DgS各社の出店攻勢がとまらない。やがてDgSも飽和すると予想されていたが、各社が独自性を出し始めたことで、今のところ市場の飽和感はない。実際、DgS業態全体の売上は好調を維持し、SMを大きく上回る数の出店を続けている。

 ヘルス&ビューティに注力し専門性を高めるDgSがある一方、食品の販売を拡大し日常の幅広いニーズに対応する食品強化型のDgSや、自社競合にならないように店舗ごとに異なるスタイルで出店する企業などさまざまだ。

 このように多様化するDgSのうち、食品強化型のDgSのかつての主力カテゴリーは日配品だった。しかし近年、冷凍食品を拡充する傾向が顕著である。新型コロナウイルス感染拡大前から冷凍食品の需要は拡大すると予測されていたが、コロナ禍で一気にその拡大スピードが早まった。それに合わせてDgSも売場を広げ、売上を伸ばした。先進的な食品強化型DgSでは、冷凍食品の品揃えを拡大する全社方針を打ち出し、新規出店するたびに冷凍食品売場の面積を広げ、取り扱いアイテム数を増やしている。

「サツドラ西岡札大前店」の冷凍食品売場
食品強化型DgSでは、冷凍食品売場を広げアイテム数を拡大。今や目的買いされる商品に変わりつつある(写真は「サツドラ西岡札大前店」〈北海道札幌市

 これまでのDgSの冷凍食品売場のスペースは小さく、売れ筋商品だけを品揃えするのがせいぜいだった。ところが、スペースを広げアイテム数が増加したことで冷凍食品売場の存在感が増し、「冷凍食品を購入できる場所」という買物客の認知が高まった。それまでほかの商品を買いに来たついでに購入されてきたDgSにおける冷凍食品は、目的買いされる商品に変わりつつある。

 食品強化型DgSにとって冷凍食品は、

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