冷凍食品市場、コロナ禍を契機に冷凍食品の需要がさらに増加

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簡便性や保存性に優れた冷凍食品は、コロナ禍での内食需要の増加に伴い、間口・奥行きともに広がっている。2021年は裏年にあたるため、前年割れとなったカテゴリーもあるが、全体的に堅調だ。内食傾向は続いているため、今後もさらに拡大が予想される。

夕食のおかずとして人気、冷凍餃子が需要拡大

 家庭用冷凍食品市場の需要拡大が続いている。とくに2020年はコロナ禍の内食需要増でその勢いに拍車がかかった。在宅勤務の増加でランチニーズが高まったことで麺類、米飯類に加え、パン類なども好調で、夕食のおかずになる餃子やから揚げなども売れている。

冷凍食品売場のイメージ
在宅勤務の増加でランチニーズが高まったことで麺類、米飯類に加え、パン類なども好調で、夕食のおかずになる餃子やから揚げなども売れている。(i-stock/danielvfung)

 KSP-POSデータの冷凍米飯の期間通算(2021年1月~12月)の金額PIは、4393円で対前年同期比0.4%減。2月~5月までは前年に大きく伸ばした反動で前年割れとなったが、6月からは前年を上回り、7~8月は2ケタ増となった。冷凍炒飯は安定的な需要で、ラインアップも広がっている。焼おにぎりなどもランチやおやつとしてのニーズを取り込んだ。

 冷凍弁当用おかずの期間通算の金額PIは7274円で同1%減と微減。休校や在宅勤務の増加でお弁当需要が減少したためだ。

 野菜やフルーツなどの冷凍素材の期間通算の金額P Iは、8789円で同0.7%増。家庭内調理が増えたことで、カットや下処理などの手間が省ける冷凍野菜は好調。20年の反動で3月~7月まで前年割れで、8月からは微増となっている。生鮮の野菜が高騰した時に冷凍野菜のニーズが高まっていたが、近年は必要な時に必要な分だけ使用できて無駄がなく時短調理にもつながる冷凍野菜を日常的に使用する家庭が増えている。

 ハンバーグやコロッケ、フライなどの冷凍総菜・調理の期間通算の金額PIは、1万526円で同4%増。夕食のメーンとなる総菜・調理商品は前年割れの月もあるが21年も好調に推移。なかでも圧倒的に支持されているのが、餃子だ。コロナ禍を契機として、手づくりを負担に感じた人が冷凍餃子に流入しており、間口・奥行きともに拡大している。味の素冷凍食品では、定番の「ギョーザ」のほか、女性に向けた「生姜好きのためのギョーザ」、ビールに合う「黒胡椒にんにく餃子」など、さまざまなニーズに対応した餃子を提案している。

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記事執筆者

ダイヤモンド・リテイルメディア 流通マーケティング局 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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