写真で見る! イオンリテール初のスマートストア 「イオンスタイル川口」

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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データで割引率を最適化
総菜の廃棄額が半減!

 次に「AIカカク」は、これまでの販売実績やその時の天候や客数データをもとに、最適な割引率を提示するハンディ端末だ。これを、商品のなかでもとくに値下げや廃棄の多い総菜売場で活用。操作は非常に簡単で、商品のバーコードを読み取り、売れ残っている個数を記入するだけで、最適な割引率が表示される。そのため、パート・アルバイトでも総菜の割引率の設定ができるようになる。

その時に最適な割引率を提示するハンディ端末「AIカカク」
その時に最適な割引率を提示するハンディ端末「AIカカク」
 端末はバーコードプリンターともオンライン接続されており、割引き率が表示されたら、バーコードを印刷して商品に貼るだけだ
端末はバーコードプリンターともオンライン接続されており、割引き率が表示されたら、バーコードを印刷して商品に貼るだけだ

 シェルフサイネージは、主通路沿いのゴンドラエンドに計5台設置する。棚上部に取り付けたAIカメラによって顧客を分析し、年代に応じたコンテンツ動画を流す。取引先メーカーが専用に制作した動画も用意し、実際の購買データのほか、AIカメラによる購買前の行動分析データも取引先メーカーに提供して売上向上に生かす。

主通路沿いのゴンドラエンドに計5台設置されたシェルフサイネージ
主通路沿いのゴンドラエンドに計5台設置されたシェルフサイネージ
QRコードも表示して、来店客が商品やキャンペーンの情報を取得できるようにしている
QRコードも表示して、来店客が商品やキャンペーンの情報を取得できるようにしている

 イオンリテールは、AIカメラは全国の約80店に、AIカカクは7月までに約350店とほぼ全店に、シェルフサイネージは首都圏の店舗を中心に導入を進めていく計画だ。

 イオンスタイル有明の開店から約1年で、デジタルを活用した店舗を一気に広げるイオンリテール。これまでの実験ですでに、売上向上や販売機会ロスの低減に大きな効果が出ているという。今後もスピード感を持って同社店舗のデジタル化が進んでいきそうだ。

【イオンスタイル川口概要】
所在地:埼玉県川口市安行領根岸3180
売場面積:全3階・直営計9468㎡(うち食品3216㎡)
営業時間:9:00~22:00(1階食品売場のみ~23:00)

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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