DSのロヂャースが、低粗利益率のPB「マイカイ」で大成功している理由

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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埼玉県を地盤とする北辰商事(太田順康社長)は、日本初のディスカウントストア( DS)をオープンしたとされるパイオニアだ。同社はナショナルブランド(NB)の低価格競争から脱却を図り、2015年からプライベートブランド(PB)商品の開発に着手。質を追求した独自性の高い商品で顧客の支持を獲得し、その存在は同社の次なる成長エンジンにまで発展している。

粗利益の約5割をPBが稼ぐカテゴリーも!

 北辰商事は1973年に1号店「ロヂャース浦和店」(埼玉県さいたま市)を開業。現在、埼玉と東京にDSを15店展開する。同社は創業以来「安さ至上主義」を掲げ、NBを低価格で販売することで業績を伸ばしてきた。しかし近年、同社の商勢圏では首都圏でも激しい競争が繰り広げられ、低価格競争の限界を感じていた。

北辰商事の本部も入る同社1号店の「ロヂャース浦和店」(埼玉県さいたま市
北辰商事の本部も入る同社1号店の「ロヂャース浦和店」(埼玉県さいたま市)

 そうしたなか15年から開始したのが「myka(i マイカイ)」の開発だ。北辰商事が手掛けるPBシリーズで、ブランド名には「毎日の買物」と「私の(MY)買物」という意味が込められている。

北辰商事の太田順康社長
北辰商事の太田順康社長

 最初に発売したのは缶チューハイだった。一般的に、NBの缶チューハイでは原料にウォッカを使用するのに対し、低価格PBでは製造コストを抑えるために醸造アルコールを用いている。しかし、お酒があまり強くない太田順康社長は低価格PBのチューハイではどうしても頭痛が生じてしまっていた。そこで北辰商事は、原価率は上がってしまうもののウォッカを使ったPBを開発し販売したのだ。するとNBのトップブランドの缶チューハイシリーズの売上を一時抜くほどの大ヒット商品となった。

 これを成功例に北辰商事は、質にこだわったPB商品のニーズを確信し、開発を一気に進める。商品は国内メーカーと開発するほか、海外の展示会で見つけて調達するものもある。カテゴリーはチルド、加工食品、菓子、飲料、衣料品と幅広く、現在その数は500品目を超える。

 このマイカイが現在では、北辰商事のビジネスの柱となるほど消費者の支持を獲得している。たとえばチョコレートカテゴリーでは、PBのなかでも人気の板チョコレートシリーズがある。日本人の味の嗜好に合ったものを北辰商事が海外から直輸入しているものだ。全3種のうち最も低価格のカカオ32%配合商品は、1枚・100gで99円(以下、税抜価格)と、g単価でNBのおよそ半値を実現している。現在このシリーズの売上高は、同社のトップNBである明治(東京都/松田克也社長)の商品合計を

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