中小チェーンでも食のSPAはできる!異色、関西の無添加商品開発スーパーの秘密
関西を中心に「パントリー」「ラッキー」の屋号で高品質スーパーを展開する大近(大阪府/中津裕彦社長)。「食(おいしい)は愛(うれしい)」をコンセプトに掲げる同社は、製造小売(SPA)モデルによって、徹底的に安全・安心を追求した商品開発に取り組んでいる。同社の商品づくりについて、責任者に聞いた。※本文中の価格はすべて本体価格
6カ所の自社工場でPB商品を製造!
大阪市に本部を構え、関西を中心に食品スーパー(SM)、精肉専門店、総菜専門店など34店舗を展開する大近。主力業態の「パントリー」「ラッキー」では、「食(おいしい)は愛(うれしい)」を店舗コンセプトに、保存料や化学調味料といった食品添加物を極力使わない、安全・安心にこだわった商品づくりを追求している。

大近が一般的なSMチェーンと大きく異なるのは、自ら商品を製造する「SPA」を志向している点だ。衣料卸問屋にルーツを持つ同社がSM事業に進出したのは1960年代のこと。70年代後半にMD(商品政策)の方針を大きく転換し、現在まで続く、安全・安心を打ち出した商品開発を推進してきた。これに伴い、製造機能を増強し続けており、現在は大阪府内に6カ所の自社工場を稼働させている。

これら6カ所の自社工場では、「豆腐」「総菜(弁当・おにぎりを含む)」「和洋菓子」「漬物」「ハム・ソーセージ」「麺類・だし」といった具合に、ジャンル別にそれぞれ商品を生産する体制を採っている。大近で製造部部長を務める柴田節夫氏は「昔から当社では、仕入れた野菜だけでなく、それらを店内で加工した浅漬けなども販売してきた。そういった商品をより多くのお客さまに食べていただきたいという思いで、店舗のバックヤードの延長線上として工場を少しずつ増やしていった」と話す。
安全・安心を切り口とする同社の独自商品のラインアップは現在、約1500SKUにのぼる。内訳は、自社工場で製造したプライベートブランド(PB)が
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