ソムリエ連盟理事が解説!成城石井、ワインの実力と購入促す仕掛け

解説=彦坂幸治(全日本ソムリエ連盟理事)
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成城石井大

世界中から直輸入したこだわり商品を強みとする成城石井。なかでも際立っているのが、ワインだ。バイヤーが直接産地に足を運び、子会社の輸入貿易機能を使って仕入れる品揃えは食品スーパー(SM)のなかでも一線を画す。その実力はどれほどなのか。全日本ソムリエ連盟理事の彦坂幸治氏に売場と商品を調査・評価してもらった。

酒類専門店に劣らない品揃え

 今回調査したのは、大阪府大阪市内の商業施設に入る「イオンモール大阪ドームシティ店」と「京阪シティモール店」の2店だ。前者は大型ショッピングセンター内の店舗のためファミリー層が、後者は駅直結の商業施設内の店舗で、周辺にオフィスやマンションが多いことからビジネスパーソンや主婦の利用が比較的、多いように思われた。

 売場を見ると、両店舗ともに200種類ほどのワインを揃えており、ちょっとしたワインおよび酒類専門店に劣らない品揃えを提供する。生産国別構成比は、フランス産が最も多く、イタリア産、スペイン産と続き、計10カ国ほどの商品を扱う。近年のSMではチリ産などの「ニューワールド」カテゴリーの商品が多い傾向にあるが、成城石井は王道の産地をしっかりと押さえている印象だ。

 タイプ別構成比は、赤が約50%と最も多く、白が約25%、スパークリングが約20%、ロゼワインが約5%と続く。スパークリングの割合が比較的高く、調査時はクリスマスシーズンだったことから、その時の食卓に対応させているのかもしれない。

 ワインの味を確認するために、成城石井の売れ筋商品である「クイーン モン・ペラブラン 2019(白)」と「ラ プティット ペリエール ピノノワール 2019(赤)」をテイスティングしてみた。その結果、ソムリエの立場から見ても、価格以上の品質を誇ること、すなわちコストパフォーマンスに優れるワインであることがわかった。

 成城石井のワインの平均価格は1000~2000円で、一般的なSMと比較するとやや高めだ。しかし、同価格帯のワインで比較すると、成城石井のワインのほうが圧倒的に品質は高いといえる。

 これを可能にしていると考えられる要素は主に2つある。1つめは、成城石井が子会社に輸入貿易会社の東京ヨーロッパ貿易(神奈川県)を持つことだ。商社などを通さず直接輸入を行うことで、中間マージンを省き低価格を実現できる。2つめは、目利きに優れたバイヤーの存在だ。良質な商品を見極められる人材が育成・起用されているのだろう。

クイーンモン・ペラ ブラン 2019(白)

クイーンモン・ペラブラン 2019(白)
生産者名 デスパーニュ
生産国 フランス
店頭価格 1690円(税別)

テイスティングコメント
●外観:透明感の高い淡いレモンイエロー。わずかにグリーンの色合いもありさわやかな印象
●香り:レモン、グレープフルーツの皮といった柑橘系の香りを主体に、ソーヴィニョンブラン特有のハーブのニュアンスも心地よく感じられる
●味わい:さわやかでキレのある酸味、やわらかくほのかな甘み、シャープなミネラル感が特徴。非常にバランスがよく、完成度の高いワインといえる

ラ プティット ペリエール ピノノワール2019(赤)

ラ プティット ペリエール ピノノワール2019(赤)
生産者名 サジェ・ラ・ペリエール
生産国 フランス
店頭価格 1290円(税別)

テイスティングコメント
●外観:軽快さを感じさせるやや明るく透き通ったルビーの色合い
●香り:赤いベリー系のフルーツ(イチゴ、ラズベリーなど)と、バラやスミレのような華やかな香りが特徴
●味わい:やわらかな酸味と、心地よく優しいタンニンが特徴。華やかさと上品さを併せ持つ

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