バスケット単価向上で収益化すすめるイオンリテールのネットスーパー戦略

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イオン(千葉県/吉田昭夫社長)グループでは、次世代ネットスーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」が2023年7月に本格稼働し、業界関係者の注目を集めた。だが、グループのネットスーパー戦略の中核を担うのは、イオンリテール(千葉県/井出武美社長)を中心とする事業会社が展開する店舗出荷型ネットスーパー「おうちでイオン イオンネットスーパー(以下、イオンネットスーパー)」だ。

出荷拠点約280店舗取り扱いSKU約3.5万!

 イオンリテールが店舗出荷型ネットスーパー「イオンネットスーパー」を開始したのは2008年のことだ。以来、徐々に配送エリアを拡大し、現在は関東、北陸信越、東海、近畿、中四国の32都府県でサービスを展開、出荷拠点の数は全店の約8割に当たる約280店舗に増えている。なお、東海の一部エリアではマックスバリュ東海(静岡県/作道政昭社長)が、九州・沖縄エリアの8県ではイオン九州(福岡県/柴田祐司社長)とイオン琉球(沖縄県/鯉渕豊太郎社長)が「イオンネットスーパー」ブランドでネットスーパーを展開している。

 あらためてイオンリテールの「イオンネットスーパー」の概要を確認しておこう。イオンネットスーパーでは、生鮮を含む食品のほか、日用雑貨、衣料品、医薬品、美容関連商品なども揃えており、取り扱いSKU数は約3万5000SKUに上る。

 注文は専用サイトから行い、最短即日の配送にも対応する。注文を受けると、受注リストをもとに店舗スタッフが商品をピッキングし、届け先ごとに商品を梱包。委託先の物流業者がお客の自宅まで配送する。配送範囲はエリアによって異なるが、店舗から3~5km圏内を基本とする。

 送料は購入金額やエリアによって異なり、165~550円(税込)を設定している(後述する店頭・専用ロッカーは配送料無料)。最低注文金額は700円。購入金額に応じてイオングループの共通ポイント「WAONPOINT」が貯まる。

 イオンネットスーパーのユニークな点は、

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ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

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