楽天西友ネットスーパー好調!赤字・撤退で苦戦するネットスーパー業界で新規登録数増の理由

流通ジャーナリスト:森田 俊一
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ネットスーパーの課題となる出荷の問題を改善。物流体制を強化

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西友は16年にネットスーパー専用のフロアを設けた「ハイブリッド型店舗」として「豊玉南店」(東京都練馬区)を出店している。豊玉南店におけるピッキングの作業導線や、運営ノウハウといった設計思想は、ネットスーパー対応の既存店の改装や新店にも受け継がれているという(写真はオープン時のもの)

 ネットスーパー事業の拡大においては、いかに効率的な物流体制を築いていけるかがカギを握る。

 一般的なネットスーパーでは、顧客が注文しようと思っても、「当日の配送枠が一杯で、最速でも商品が届くのは翌日や翌々日」という状況がよくみられ、販売機会の損失を起こしているケース、およびそのためにアクティブ会員が伸び悩むケースが少なくない。新物流体制の立ち上げのねらいは、こうした課題を解消することにある。

 柏市に立ち上げた専用配送センターは冷蔵、常温などの温度帯別に、効率よくピッキングできるレイアウトとなっており、最終的に顧客に渡すかたちで商品をピッキングする。そうしてピックアップされた商品は、センターから都内に複数設置された「配送拠点」に届けられる。そして、この配送拠点からラストワンマイルを担う。

 専用センターを立ち上げたことで、出荷能力が増強され、「まだ完全ではないが、首都圏では(当日の)配送枠が埋まってしまっているという状況は解消された」(野村氏)という。

 さらなる利便性の向上も見据える。顧客側からみれば、指定した配送枠の2時間は自宅で待機しなければならず、その間は行動が制約される。同サービスが今後めざす在り方について、野村氏は「現在の2時間の配送枠のうち、たとえば、『枠の前半30分で届くか』『それとも1時間後に届くのか』というようなきめ細かな情報を注文客に通知できるようにしたい」と話す。

 このほか、「注文先の玄関などに留め置きする仕組みを構築していきたい」(野村氏)としており、さらなる顧客満足度向上をめざす。

 今後の展開について、野村氏は「需要に応じて新たな専用センターを設置し、より多くの注文を受けられる体制を構築する。その際、専用センターは自動化も検討していく」とも話す。物流体制の拡充にあたっては、楽天の物流網の活用も選択肢とし、検討していく意向だ。

 ただ、柏市の専用センターを含めたセンター設置については、「店舗からの出荷をなくすという前提ではない」と野村氏は述べる。「今後もあくまでも店舗と専用センターの併用を考えていく。(センター配送か店舗配送かを)エリアで分けるか、それとも店舗は短時間での配送のみを行うかなど、さまざまな可能性を検討していく」(野村氏)。

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