生鮮総菜、PC超活用に本物のSPA化!「総菜の独自化」最前線
PCの専門性も向上
SMの総菜においてもう1つ大きな潮流となっているのが、プロセスセンター(PC)の活用だ。これまでは人手不足への対応や製造効率向上の観点でPC活用が進められてきたが、一部の企業では商品価値のさらなる向上を図る拠点としてPCを位置づけ始めている。
たとえば平和堂(滋賀県/平松正嗣社長)では、新デリカセンターの稼働に伴い、従来インストア加工していた一部商品をアウトパックに切り替えた。同センターでは「新炊飯ライン」「過熱蒸気オーブン」といった最新鋭の調理機器を導入しており、店内調理と変わらない味わいや品質を実現。出来栄えにブレを生じさせることなく、等しく高質な商品を各店に供給できる体制を構築しつつある。
ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)も総菜のPC比率を徐々に拡大させており、近畿圏では大阪市内の総菜PCを拠点に供給アイテムの拡充を図っている。PCで8~9割の調理を行い店舗で最終の仕上げを行う「カセット納品」という手法を用い、PC製造でありながら出来立て感が感じられるよう、製造工程を工夫している。また、ほかの生鮮PCから原料を調達するなど、PC間での連携による商品製造にもチャレンジしている。
このように、技術革新や製造工程の見直しなどにより、PCでもインストア加工と遜色ないクオリティの商品を安定的に製造できるようになっている。そのぶん、店内ではより付加価値を追求した商品の製造に人時を充てられるようになり、総菜全体の商品力向上につながっているのだ。