24年3月1日号 総菜革命!

 原材料やエネルギーコストの高騰、消費者の価格感度の高まり、さらにはコロナ前から慢性化していた人手不足の問題や、総菜をめぐる業種業態が入り乱れた競争の激化により、総菜市場はいま再び大きな岐路を迎えつつあります。

 総菜市場自体は成長基調にあるものの、それらの課題に対応し生き残るためには、価格と価値を両立したうえでの圧倒的な独自化が不可欠です。ライフ、イズミ、平和堂など、食品スーパーや専門店の先進事例を総力取材し、“総菜革命”の最前線に迫りました。

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編集後記

 NRF2024に参加しました。「リテールメディア」と「生成AI」の2大トレンドがけん引するかたちで参加者も多く、とくに日本からの参加者が非常に多かったのが印象的でした。リテールメディアは従来、欧米でもECのスポンサード広告とアプリへの広告がメーンだったのですが、今年は変化。「リテールメディア2.0」ともいえる潮流として、店舗や売場のメディア化に期待する動きが一気に加速しています。市場規模も急拡大を予測しており、ファーストパーティデータとリアル店舗を抑える小売業が輝くとき、というシナリオが先行します。うまくことが運ぶのか、一度の幻滅期を挟むのか、それとも… 何よりも「結果」が求められるフェーズです。

阿部

 2月上旬、某小売業に勤務されている方と「オーケー銀座店」を見に行きました。

 東京・銀座のド真ん中に出店した同店は業界中の注目を集め、その後が気になっていた方も多いと思います。平日の正午に店舗を訪れると、総菜売場には身動きが取れないほどの人だかりができていて、弁当がまさに飛ぶように売れていく様子を目にしました。

 印象的だったのは、そんな光景を一緒に見ていた某小売業の方が「楽しそう」と呟かれていたこと。確かに、売場に並べた弁当が即座に売れていくのは、どこか痛快な感覚があります。「売れる」は「楽しい」。小売業の魅力を再確認できた気がしました。

小野

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