小売業のデジタルマーケティング最前線:中堅小売業もデジタルマーケティングに本腰

2019/04/15 08:00
小坂 義生

トライアル、スマートストアを出店

実店舗でデジタル化を推進している小売業の中で、最も注目されているのがトライアルカンパニーだ。

 今、実店舗でデジタル化を推進している小売業の中で、最も注目されているのがトライアルカンパニーだ。2018年2月にAI、IoTを駆使したスマートストア「スーパーセンタートライアルアイランドシティ店」(福岡県福岡市・1000坪)をオープン。アイランドシティ店では、AIカメラによる購買前の行動データの分析や、タブレット付きレジカートで利用者の購買履歴に基づいたクーポンの発行、レジが不要なウォークスルー型の決済システムを可能にしたことで業界の注目を浴びた。

 9月にはアイランドシティ店をバージョンアップさせたスマートストア2号店「スーパーセンタートライアル鹿島店」(佐賀県鹿島市・1000坪))をオープン。アイランドシティ店の機能に加えて、店内に100台以上のデジタルサイネージを設置しているのが特徴だ。AIカメラやビーコンと組み合わせることで、買物客の属性や購買履歴にマッチした商品をサイネージで宣伝するなど、リアル店舗ならではの購買意欲を掻き立てる店舗をめざしている(18年12月時点では実験中)。

写真●「レジカート」は、セルフスキャンシステムや顧客情報に紐づいたクーポンを発行する機能などを搭載している

 

サツドラ、トヨタ自動車との連携も

 事業会社がドラッグストア「サツドラ」を展開する、」サツドラホールディングス傘下で、AIソリューションサービスを展開するAI TOKYO LABは、2018年4月に、、「サツドラ月寒西1条店」にAIカメラを約50台設置して、来店者の動きや属性、商品棚の状態、店舗スタッフの稼働状況などをすべてデータで可視化する実証実験に着手した。取得したデータを解析し、業務効率化やマーケティングなどに役立てている。棚や来店客の行動を可視化する実験を行うなど、グループのAI武装を進めている。

AIカメラが、店内での来店者の動きを追跡することで、消費者が商品を選択するまでの過程を可視化。来店者の属性ごとに商品棚の“ホットスポット”を特定し、これと商品とを組み合わせることで、魅力ある店舗づくりが行っている。

 また、POSデータや「エゾカ」の会員データなど、グループ内で保有するデータ資産とAIを組み合わせることで、精度の高いマーケティングを実現している。

 さらに、トヨタ自動車との提携のもと、18年5月から北海道内で実証実験を開始したスマートフォンアプリ「EZOCA×TOYOTA『おねがいナビ』」は、AIが利用者の嗜好に応じて目的地や移動ルート周辺の小売店・飲食店のクーポンやポイント、イベント情報などを提供する機能を実装している。

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