コロナショックで全滅のアパレル業界が今すべきことは“熱中症対策”

2020/04/07 05:55
河合 拓

コロナショックは一見さまざまな変化をわれわれのビジネスにもたらしている。しかし、よく考えてほしい、現在のデジタル技術を使えば「無料」で、スマホを使って世界中とテレビ会議の開催が可能だから、皆そろって会社に早朝に出社する必要などない。そもそも、仕事には「成果」と「期限」があるにも関わらず、「出社」すれば働いているとみなす会社が多すぎるのだ。生活者と同様、企業までもが過剰な巣篭もりをしていると言って良い。今回は、そうした状況下で企業に必要なこと、そしてアパレル企業がいますべきことについて解説したい。

kali9 / iStock
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戒厳令下では、強いリーダーシップが必要

 ターンアラウンド(企業、事業の再生、再建)の世界では、「改革中」は「戒厳令下」であることと同義であり、実際、コロナウイルスとの戦いの最中にある欧州では外出禁止令が発令されている。こうした中で必要なのは、強いリーダーシップであり、何を取捨選択するかという戦略的思考であると前回述べた。つまり、「何かを強く取れば何かを失う」ことになるわけだが、我が国の野党は「失うこと」ばかりを指摘し、結果、国家としての意思決定が著しく遅れている。未だに経済対策は「株価を上げること」しか目に入ってこない有様である。

  こうした状況を見るに思い出したのが、昨年のファーストリテイリングの柳井正会長兼社長による「公務員を半数にせよ」という意見だ。私はこれに100%賛成なのだが、同氏の発言を巡っては、賛否両論が渦巻いた。実務をしらない評論家は、この趣旨を単なる人件費の削減だと勘違いをしているようだが、本質を突いていない。意思決定というものは、組織が大きくなれば縦割りとなって、それぞれの組織が個別最適に陥るように動く。また、人数が多ければ「三人寄れば文殊の知恵」どころか、小学生でもしないような、意味不明な意思決定がなされることになる。これは、数々の忖度、また、異なる意見でもとりあえず付け加えておこうという「足し算志向」が原因だ。現在の国家非常事態のような、厳格な取捨選択が必要な状況においては、権限は少人数に集中すべきなのである。

 コロナショックが恒常的に続き、やがて世界の経済を滅ぼし人類を滅亡に導くなどということは、過去の事例を見てもありえない。世界経済の根幹を揺るがす構造的なもんではなく、一時的なものなのだ。だから、感染が進み、そしてワクチンが開発されれば免疫を持つ人が増え、感染拡大は収まる。そうすれば、経済はすぐに元に戻るだろう。

 だから私は、日銀を通じて3月だけで2.6兆円もの金を無意味な株価底上げ(一時的に上がっても投資家の利益確定ですぐに落ちる)に溶かすぐらいなら、労働者や企業の損失補填などに税金を使うべきだ、という提言をしたのである。ワンタイムの不慮の損失については、企業の経済活動だけではどうしようもないことが多い。

 

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