沈まぬアパレルその2 ユニクロとしまむらの「差」

2019/12/16 05:30
森田俊一(流通ジャーナリスト)

国内を代表するカジュアル衣料専門店といえば、ファーストリテイリング(山口県)、しまむら(埼玉県)の2社だろう。ファーストリテイリングの国内ユニクロ事業の勢いは鈍化傾向にあるものの、海外ユニクロ事業、とくに中国を中心とする「グレーターチャイナ」は成長を続けている。一方のしまむらは客数減に苦しんでおり、海外展開もスローペースであることは否定できない。両社の差はどこにあるのだろうか。SPA(製造小売)と仕入れの違い、など多々あるだろうが、本稿では、店頭起点で両社の差が出た理由を論じてみたい。

しまむら

2社の差は「現場力」にあり!?

 結論から述べると、ユニクロ(ファーストリテイリング)としまむらの2社の大きな違いは、「現場の従業員を生かし切れているかどうか」という点ではないだろうか。つまり、「現場力」だ。

 個人的な経験から出た意見だが、ユニクロの店舗で「こういう商品が欲しい」とリクエストすると店員が即座に店内を探してくれる。試着室での対応もよい。最近導入が進められているセルフレジを使う場合も、懇切丁寧に操作方法を教えてくれる。

 もちろん、「そんなことはない」という感想をお持ちの方もいるだろうが、“つかず離れず”、的確にサポートしてくれるというのが筆者の印象だ。

 これに対してしまむらでは、試着をしようとしても、「こちらの試着室が空いています」と案内されることは少ない。それ以前に、売場内の従業員の数が少なく、接客にそれほど力を入れていない印象を受ける。徹底したローコストオペレーションによって店舗人員を適正化しているためだ。

 これは、単純に「(十分な接客レベルを維持できるだけの)従業員数が足りているかどうか」という問題もあるだろう。だが、それ以前に従業員のモチベーションが関係しているとも筆者は思っている。

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